【兄弟戦争】第5回 ニッサとレンの戦い、そして…【ストーリー】

はじめに

前回の物語にてウルザと対話し、探し求めていた酒杯の起動方法を手に入れたかに見えたテフェリー。

その方法は果たして現在の英雄たちに伝わったのか?

新ファイレクシアへの突入作戦は実行できるのか?

そしてテフェリーはどうなってしまったのか!?

そのあたりが少しずつわかる、兄弟戦争現在軸の最終話です!

まずは少し話を戻り、テフェリー防衛戦を繰り広げる二人の英雄の物語から。

 



目次

ドミナリアのニッサ

以前ニッサがドミナリアに滞在したのは、たった15分のこと。

ニコル・ボーラスによって破壊されゆくアモンケットを目にし、故郷も再建できぬうちに他の次元が滅びゆくのを見てられないと伝えた時。

つまり、ゲートウォッチを離反することをメンバーへ告げた時。

そしてまさにドミナリアは、破滅を間近に控えていたのでした。

 

彼女はチャンドラやケイヤから作戦を聞きます。

ラヴニカの準備ができたら、ジェイスは仲間とともに合流する。

ウラブラスク、およびミラディン人は今日明日にも攻撃を開始する。

そしてファイレクシア壊滅の鍵となる酒杯の起動方法は、テフェリーが探しているのだと。

やがて夜は訪れ。

テフェリーたちの元へ、ファイレクシアの軍団が差し向けられたのでした。

エルズペスとジョダーの攻撃を生き延びた機械兵団に立ち向かう、ニッサとレン。

いったんの防衛を成し遂げた二人の目に入った、遠方の太陽のような光の柱。

「エルズペスとジョダーが」

ニッサが言った。

「私が探しに行く」

彼女は階段を下りかけ、だがレンと七番がその行く手を塞いだ。

「私たちの役割は変わらない。テフェリーを守ることだ」

「でも……」

でも、ではない。レンの言う通りだった。わかるのは、誰も見つからないだろうということだった。あの爆発はただの眩しい光の誇示ではない。悲しいが、もしエルズペスとジョダーがそこにいたとしたら、ふたりもおそらくあの魔法に焼き尽くされただろう。その命を塔とその中にいる者たちに捧げて。今、テフェリーと酒杯を新ファイレクシアから守る義務は自分とレンに委ねられた。ニッサは悲嘆にうつむいた。

「わかったわ。工房にいる人たちに合流しましょう」

 

その瞬間、鳴り響いた爆発は塔の広間を揺らします。

二階へ急いだニッサが見たのは、空を覆う百体以上の軍隊。

彼女の頭に、エムラクールと戦ったあの時を想起させる光景。

ニッサは回顧します。

その戦いには、仲間意識と、正義があったと。

そして、ギデオンの自信、チャンドラの熱意、ジェイスの落ち着きが。

だがその誰も、今ここにはいない。ジェイスはラヴニカで準備に忙しく、チャンドラも今朝早くに彼と合流するため出発した。そしてギデオンが……来てくれることはない。

『けれど貴女がいる』

ニッサは自分自身に言い聞かせた。彼女は一呼吸して心を決めると、レンのもとへと駆け戻った。

「ファイレクシア兵の増援が!」 彼女は叫んだ。

「数はどのくらいだ?」

「軍勢が丸々ひとつ。もし接近されたなら、塔に入るのを防ぐことはできないわ」

レンは背筋を伸ばした。

「ならば私たちが止めよう」

 



ガイヤの憎悪

ニッサは叫び、エルズペスがやっていたように、機械の兵へと命令を飛ばします。

同時に、ドミナリアの大地への呼びかけも。

しかし、彼女の嘆願は聞き入れられど、返されはしなかったのでした。

レンもその違和感に同意します。

力線がもつれている。おそらく意図的に。

大地や精霊の力を借りられないニッサは、指揮下の機械兵団と自身の剣でファイレクシアの軍団を打ち払います。

しかし塔を見上げれば、上空に控える天使たちの回復呪文により、こちらが消耗してしまうことが目に見えていたのでした。

ニッサは駆け出してレンのもとへ直行し、七番が振るった枝をくぐって避けた。

「レン! 力を貸してほしいの!」

「私は今少々手一杯だ」

七番が一体のファイレクシア兵を蹴とばした。

「だが聞こう」

「あの指揮官」

ニッサは頭上を指さした。

「あれを倒しに行こうと思う」

「どうやってだ?」

「貴女たちに少し活力の贈り物をあげる。そうしたら私は七番に登ってあそこへ行けるわ」

滅多にない微笑みがレンの顔に浮かんだ。

「結構な作戦だ」

 

ニッサのエネルギーは七番を大きく成長させ。

接近に気づく暇を与えないよう、七番はニッサを空へと放り投げます。

有翼のファイレクシア人へと飛びつき、その剣を深々と刺したニッサ。

その攻撃に悶えつつも、彼女を振り払えないと悟った指揮官は、恐るべき速度で上昇そして落下をしたのでした。

七番に受け止められるも、隙をついて地面へと引きずり込まれたニッサ。

彼女の悲痛な呼びかけに対し、沈黙を貫いていた大地は言葉を届けます。

お前は要らぬ世話焼きに過ぎない。

ガイヤの力を横取りしていると。

圧倒的な暗闇。墓所のような静寂。だがこの虚空の中でニッサははっきりと悟っていた。もしこれがニッサ・レヴェインとしての最後の夜なら、ゼンディカーの名のもとに戦って死ぬ。いや――あらゆる次元の生命の名のもとに。

『力を貸してくれないなら、私を私の運命に戻して。自分でやってみせる』

聞こえたのはその時だった――微かな唸り声が次第に強まり、彼女の魂を圧迫する咆哮となった。

『ガイアはお前を見極めた』

 

突如心に溢れる、ガイヤの怒り。

かつてない苦悶、かつてない憎悪。

それらはニッサを支配し、ファイレクシアを一掃したのでした。

彼女をファイレクシア兵へと突き動かす、止めがたい衝動。

それら全てを破滅させてやりたいという、大いなる憎しみ。

「ニッサ、いけない」 レンが言った、「お前の歌は残忍の歌ではない!」

『いかにも。だが残忍であれ』

ニッサの脳裏に声があった。精霊たち。

『我らはこの敵を知っている。そしてお前の心に見た、既に奴らはお前の愛するものを奪ったと。それらは決して戻らない。腐敗の者等に勝利するには味方と敵、両方の血でお前の手を染めねばならない』

その言葉を最後に精霊たちは離れ、彼らと共に怒りも去った。

 



ゲートウォッチの誓い

サヒーリの工房へと戻ったニッサとレン。

時空錨の近くには、いくつかの人影があったのでした。

そして、その中にはニッサがよく知る人物も。

「ニッサ」

頼み込むように、ナヒリが両手を挙げた。

「落ち着きなさい」

「何でいるの?」

頭上に風をうねらせたまま、ニッサは尋ねた。

「俺が頼んだからだ」

ジェイスが視界へと進み出た。

「この戦いでは、どんな味方も遠ざける余裕なんてない。それはわかってほしい」

言葉こそ確固としていたが、ジェイスの表情には悔恨があった。

 

様々な確執を一時保留するニッサに対し、サヒーリは状況を説明します。

テフェリーは酒杯の起動方法を見つけたが、いくつかの不明な部分は直接テフェリーに聞くしかないと。

そして、そのテフェリーはひどく弱々しい姿で…。

停滞カプセルを覗き込んだジェイスとニッサの目の前で、静かに姿を消したのでした。

戸惑う二人に、サヒーリはテフェリーを引き戻すための時空錨の修復を買って出ます。

ジェイスは顔をしかめて言った。

「ケイヤ、テフェリーさんがいなくては――」

「私ができるわ」

ケイヤがすぐさま返答した。

「私が酒杯を起動させられる」

「でもテフェリーを放ってはおけないでしょう」

(中略)

「ここで独りで死なせるわけにはいかない」

ニッサは引き下がらなかった。

「独りではないよ」

戸口から声が届いた。壊れた戸枠にジョダーがもたれかかり、腹部を押さえて顔をしかめていた。

「そして死なせはしない。もしそんなことになったなら、最後どうなったかを聞けないからな」

 

やがて現われる、各次元の英雄たち。

エルズペス、ヴラスカ、放浪者、漆月魁渡、タイヴァー・ケル、そしてルーカ。

チャンドラやリリアナ、レンはここで待つ。

その他の集まった者たちは、これから新ファイレクシアへと赴く。

彼らは一つの覚悟のもと、最後の準備を整え、次元渡りの用意を始めたのでした。

ニッサは全員から離れて立ち、時空錨の残骸の中をそぞろ歩いた。

ゲートウォッチが再び結集した。

(中略)

多くの次元から集った友人たちと見知らぬ者たち。ドミナリアの多種多様な人々が団結し、分裂を克服し、統一戦線を築いているように。

そこにはある種の美があった。ある種の価値があった。

(中略)

それぞれの差異を称える。打ち勝ち、耐える新たな絆を結ぶ。

出発の時が来たとジェイスが告げ、新ファイレクシアへ向かう全員が彼の周囲に集まった。

(中略)

「すべての次元の生命のため」

彼女は囁き声で言った。

「私たちは皆、ゲートウォッチであり続けるわ」

 



そして終幕へ

暖かな昼。

岸辺にて。

テフェリーは目を覚まします。

手の上を這う、蟹の感触。

…感触。

テフェリーはその時気づきます。

自身はもう霊体ではないと。

身体は戻っているが、しかし時空錨の中ではない。

彼の他に誰もいない海岸にて。

テフェリーはケイヤの名を口にしますが、反応はなく。

ただ、自分の記憶が少しずつ流れていくのを感じたのでした。

自分は何を忘れてしまったのだろうか? 自分は何をしたのだろうか?

必要とする情報をケイヤが受け取れたことを願うしかなかった。もし、自分が失ったものをケイヤが思い出せないのであれば――

「いや」

テフェリーは声に出して言った。自分自身と海鳥だけに向けて。

慌てる時間ではない。これはひとつの問題に過ぎない――克服すべき障害がひとつ増えただけ。彼は砂浜へ、その古い足跡へと顔を向けた。ここには人がいる。人がいるなら、希望がある。

テフェリーは海に背を向け、内陸へと歩き出した。

 



今回はここまで

ニッサが改めてゲートウォッチの誓いを口にする展開、アチィー!!!!

かつてとはメンバーが違いつつも、そしてその中で様々な確執がありつつも、今は巨悪を倒すため団結して戦うことを選ぶ。

まさにヒーロー映画のような展開ですね!

あー-!!公式から「この内5人はファイレクシアンですけどねw」みたいなアナウンスがなければなー---!!

素直に感動したし胸アツだったのになー----!!!

しかしレンは兄弟戦争を通してイケメンですね…なんやこのどこまでも頼りがいのある感じ…。

そして、テフェリーは一体どこへ飛ばされてしまったのか。

活躍のち、どこか見知らぬ美しい場所に飛ばされる…RPGとかでよくあるやつ…。

彼は次の次のセットではパッケージイラストを飾っていたため、きっと最高のタイミングで帰ってくることを期待しましょう!

 

ということで、兄弟戦争のストーリーはここまで!

次はついに新ファイレクシアとの全面戦争!!!

楽しみに待ちましょうね!!

次回もお楽しみに!

 

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*出典*

サイドストーリー第5話:出発(エクソダス)