【兄弟戦争】第4回 テフェリーとウルザの対話【ストーリー】

2022年12月17日

はじめに

兄弟戦争の冒頭にて主人公感を出しておきつつ、実際ストーリーの中核であろうに、第四回まで放置された男!テフェリー!

というわけで、やっと参りました、この男の出番でございます。

彼は無事時間遡行を成し遂げ、目的を果たすことができるのか…!

今までももちろん面白かったですが、実はここが本編!ですよ!!




目次

テフェリーの時間遡行

酒杯の起動方法を知るための時間遡行。

サヒーリの助力で、テフェリーはその試行を幾度となく繰り返していたのでした。

目標は、兄弟戦争の終焉。

ウルザがゴーゴスの酒杯を起動したその時。

 

テフェリーが繰り返す時間遡行の中で目的の時間を見つけた時には、エルズペスは彼らにファイレクシアの接近を警告していたのでした。

そして幽体のケイヤとともに、兄弟戦争の終幕へと時間遡行したテフェリー。

ウルザが膝の上に酒杯を置いて座し、ドラゴンエンジンと一体化したミシュラがそれに迫る中。

テフェリーはケイヤへと、見たもの全てを伝えていったのでした。

酒杯に滴る血、ウルザの振る舞い、弟の接近と、高ぶる感情。

「他には?」

ケイヤが尋ねた。

「涙。止めどない涙。ウルザは決して泣くことはなかった。ここでの彼は……とても人間的だ」

返答もまた彼女の口から発せられた。

ミシュラである機械は今や丘を上りきり、蛇のような頭部が彼らに影を落とした。ミシュラは笑みを浮かべていた。半ば肉の、半ば鋼の笑み。それは勝利を確信した男の笑みだった。

ミシュラは何かを叫んでいた。

閃光が杯の底からほとばしり――

(中略)

「そこだ!」

 

現代へと帰還したテフェリーは、もう少しでわかりそうだとサヒーリに告げます。

そしてサヒーリも、時空錨を横目にこれが最後だと告げたのでした。

何度目かの時間遡行。

テフェリーは再び、兄弟戦争の最終決戦へと赴きます。

ミシュラは勝利の笑みを浮かべ。

そして酒杯から閃光が上がるその時。

テフェリーは並外れた力とともに、全ての時を凍結し、全てのものを観察したのでした。

しかし、彼が見て伝えたものはどれもサヒーリの酒杯を温めることすらなく。

やがてテフェリーは、一つの手段に思い至ります。

途方もない危険を伴うこと。

しかし、彼はそのリスクを思考の外へ追いやったのでした。

新ファイレクシアの侵略よりも最悪のことなど、起こり得ないと。

テフェリーは自らの知る内容を熟考した。酒杯が爆発した時にウルザは死ななかった。いつ、どのようにウルザが戻ってきたのかは誰も知らない

(中略)

行動するには思考ひとつでいい。実体は必ずしも必要ではない。

テフェリーは時の保持を止めた。

多元宇宙が引き裂かれ、開いた。

全てがその後に続いた。




ウルザとの対話

彼が視界を取り戻したとき。

ウルザの名残が脚を組み、テフェリーは霊となってそばに立っていたのでした。

天の虚空の中、ふたりだけが立っている空間。

足元を取り囲む土以外、何もない無。

彼は咳払いをした。

「未来について、伝えなければいけない事があります」

テフェリーはウルザへと語りかけた。

「貴方の未来、私の現在。全てに関わっています」

ウルザは顔を上げた。その顔は皮膚のない、歯をむき出しにした頭蓋骨だった。

「何だ?」

だが、その声まで焼けてはいなかった。

「良いものではありません」

テフェリーは力を込めて言った。

「興味深いな」

 

ウルザはこれから、今までとは全く異なる存在になる。

テフェリーはそう切り出します。

ある者は神と、ある者は災いと呼ぶことになる存在、プレインズウォーカーへと。

ウルザはこれから数千年もの間、ファイレクシア人との戦いに人生を費やすことになる。

そしてそのファイレクシアは、現代において再び多元宇宙を脅かしているのだと。

それらを退けるため、酒杯の起動方法を知る必要があるのだと。

一つ頷いたウルザはテフェリーへと、起動時の全てを教えます。

が、彼の説明はこう締めくくられたのでした。

「これを手にした時、どうするべきかを即座に知った。私に言えるのはそれが全てだ」

テフェリーは理解した。恐怖とともに理解した。

知られざる呪文を発見する必要はなく、ウルザが酒杯を起動した際の秘密の手順も存在しなかったのだ。

(中略)

全てが知られており、理解されていたのだ。人を除いて、必要なものは全て揃っていた。酒杯を爆発させる引き金は呪文でもアーティファクトでもなく――人だったのだ。

 

「時間切れのようだ」

ウルザのその言葉とともに、天から染み出すように広がるひび割れ。

深淵を探り始める黒い指。

何かの接近。

「私はこの出会いを覚えているのだろうか?」

ウルザが尋ねた。

「いいえ、覚えてはいないでしょう。私たちの湖は――今、再び川の一部となります」

「そうだろうな」

ウルザは立ち上がった。

「何千年も、か。参ったな。覚悟などできていない」

「覚悟を」 テフェリーが言った。

「覚悟をしなければなりません」

ウルザはテフェリーを見つめ、その両目が紅玉と翠緑の面を閃かせた。

「最後まで言ってくれなかったな。君の名――」

虚空が破れた。

暗闇が押し寄せた。




師から弟子へ

兄弟戦争の終焉から6年後。

生命を拒絶する巨岩や巨木の中で。

ウルザは大きな金属の箱へと手を伸ばすと、それは静かに開き、停滞状態の弟子をあらわにしたのでした。

「終わったよ」

箱の縁に腰かけ、ウルザは言った。

タウノスは息を呑み、辺りを見渡した。

「考えつく限り、これが最も安全な隠れ場所でした」

(中略)

「ここは何処ですか?」

ウルザは辺りを見て、深いため息をついた。

「ヨーティアの南岸だ」

タウノスは瞬きをした。

「変わってしまって」

「世界は変わった。我々の行いによって。私の行いによって」

 

ウルザは弟子へと依頼します。

西へ向かい、何が起こったのかを語ってほしいと。

ウルザらが何を行い、何を失敗したのか。

テリシアの象牙の塔の学者たちへ、同じ轍を踏まないよう。

そして彼は言います。

自分は、どこか遠くの場所へと向かう。

誰も傷つけることのない場所へ。

ドミナリアという世界から遠く離れた場所へ。

彼はタウノスへと向き直り、練達の学者はウルザの両目を見た。それらはもはや人間の目ではなく、ふたつの宝石であり、多彩な色を溢れさせていた――緑、白、赤、黒、青。

マイトストーンとウィークストーン。生き延びた兄の内で、遂に再会したのだ。

(中略)

ウルザの姿が次第に薄れていった。色彩がゆっくりと失われ、輪郭だけが残り、やがてそれも消えた。

「我々の勝利と過ちを教えてやってほしい」 遠い声が言った。

「そしてカイラに伝えてくれ。そのままの私ではなく……」

「……私がなろうとした私を覚えていてほしい」

タウノスがそう締め、だが彼の言葉は誰もいない空間へと発せられた。ウルザはひとつの世界から、その宝石の両目だけに見える更なる世界へ旅立ったのだ。




今回はここまで

ウルザ…お前…!( ;∀;)

色んな意味で悪名高く、ストーリーを知らない人の中でも極悪エピソードが知れ渡るウルザですが、それはファイレクシアへの復讐に囚われたプレインズウォーカーとしての彼の話。

弟の変わり果てた姿に涙し、激情のままに酒杯を起動した彼の上のような描写からは、何とも言えない寂寞感と哀愁を感じるものです。

ウルザも世紀の大魔道士とはいえ、悲劇によって弟と仲を違え、そして喪ってしまった一人の人間なのですね…。

そして、テフェリーは彼との会話によって、酒杯に本当に必要な要素を見出しました。

が!彼はウルザとの会話のあとどうなってしまったのか…!?

そして、この起動方法をケイヤはちゃんと把握できたのか…!?

これらの謎がちょっとだけ明かされる次回は、兄弟戦争現代編、最終話になりますよ!

お楽しみに!

 

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*出典*

メインストーリー第5話:冷酷に、必然の運命に