【団結のドミナリア】第2回 ファイレクシアの侵攻【ストーリー】

2023年3月8日

はじめに

前回、ドミナリアのコイロスの洞窟にて、ファイレクシアの法務官シェオルドレッドを見つけたカーン。

彼は仲間への警告ができないままに生き埋めとなり、数か月の時が経ってしまったのでした。

そして、その間にもファイレクシアの侵攻は進み…?

カーンと、彼を助け出したアジャニは、それらの脅威を警告すべく二勢力の会談の場へと向かいます。

 

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【団結のドミナリア】背景ストーリーまとめ




目次

和平会談にて

アジャニに連れられカーンが訪れたのは、ベナリア人とケルド人の会談の場。

大理石の長机を挟んで片側に座るのは、ベナリアのアロン・キャパシェン。

そして反対側に、ケルドの将軍ラーダ。

アジャニとカーンの到着直後、ジョダーがポータルで、ヤヤが次元渡りで現われたのでした。

ヤヤの視線がカーンとアジャニに向けられた。

「おやまあ、これは驚きだ。あんたたちも仕事があって来たのかい?」

アジャニは真剣な面持ちでヤヤを眺めた。

「カーンさんがコイロスの洞窟で見たものについて、話をしなければなりません。ファイレクシア人がドミナリアに戻って来ています」

交渉の席での緩やかな雑談は衝撃と沈黙に終わった。

(中略)

ヤヤの顔は蒼白だった。

「そんなこと、ありえるとは思えないよ」

 

動揺の走る会談の場にて、カーンは見てきたものを話したのでした。

衝撃とともに、ファイレクシア人は久遠の闇を渡れないはずだと否定するジョダー。

もはや歴史上の存在として語られるそれに疑念を向けるアロン・キャパシェン。

しかし、自覚無きままにファイレクシア人へと変貌させられるという事実は、その場にいたものを恐怖と困惑へ陥れたのです。

困惑がありつつも、それからしばらくのち。

二勢力の不可侵条約の調印するその瞬間。

青色の光の中から、新たなプレインズウォーカーが姿を現したのでした。

ジョダーは立ち上がった。「何があった?」

「ファイレクシア人です――奴らが神河にいたと」

テフェリーは両目を閉じ、かぶりを振った。

「カルドハイムでケイヤが見たものによれば――」

「奴らは次元を渡れるってことかい」

ヤヤはそう言い、口をつぐんだ。

一瞬して、ジョダーが言った。

「大変な状況だ、控え目に言っても」

 

その報告は二勢力の署名を中断し。

最悪のタイミングでの報告を責めるヤヤの視線に追われるように、カーン、アジャニ、テフェリーは客室へと立ち去ったのでした。




兵器の隠し場所

同じ部屋に戻ったアジャニ、カーンと、次元渡りで疲弊したテフェリー。

3人は自分たちなりの近況報告を行います。

テフェリーは苦々しく、得てきた情報を話し始めました。

「奴らはタミヨウをさらった。プレインズウォーカーですら今や安全ではないのかもしれない……時間をかけすぎたんだ、アジャニさん」

アジャニは凍り付き、驚きをありありと顔に浮かべた。

「タミヨウさんが?」

テフェリーは弱弱しく頷いた。

「その件については、休息をとってから話そう」

アジャニが拳を固く握りしめ、その顔に憤怒と悲しみがよぎる様をカーンは見つめた。そのふたりが親しいとは知らなかった。

 

一時解散となった一同。

自室へと引き返したカーンは、酒杯と粘土板の入った箱を持ち思います。

強大な力を持つ酒杯は、安全な場所へと隠さなくてはいけないと。

衛兵の目をすり抜け、ジョイラの工房へとプレインズウォークしたカーンは、備品の倉庫、最下部の棚へと酒杯の箱をしまい込みます。

 

警報装置も設置し、牡蠣湾へと引き返したカーン。

と、彼は一人の人物に目撃されます。

交渉の場にもいた新アルガイヴの貴族、ステン。

白み始める空の中、彼はカーンへと語り掛けます。

ファイレクシアの感染に耐性のあるカーンだけが、信頼できるプレインズウォーカーかもしれないと。

そして、現状自分は完成した者を処する立場にいるのだと。

「そのような工作員を捕らえたことはあるのですか?」

「いえ、今はまだ」

(中略)

「テフェリーさんの知らせが皆を怯えさせています」

カーンは頷いた。

「怯えているでしょう。ベナリア人とケルド人は融和できると思いますか?」

「わかりません」

ステンはそう認めた。

「ですがこれだけは約束できます―新アルガイヴは戦うと。ドミナリアを守るため、貴方とともに立ち上がります」

カーンは頷いた。説得力のある情報源として誰かが信頼してくれた、そのことに安堵して。




混迷の会談

連日の開催となる和平の会談。

その実施前、カーンとアジャニはヤヤのもとへ向かいました。

同席していたのは、テフェリーと、昨日からバルコニーなどに止まっている一羽のツグミ。

カーンは説得を始めます。

今重要なのは、国境などではなくファイレクシアの戦いだと。

そして、強大な力を持つ酒杯をファイレクシアから遠ざけることだと。

「酒杯?」 アジャニははっとした。「あるのですか?」

「所有しています」 カーンは頷いた。

「新ファイレクシアへ持ち込み、その源からファイレクシアの脅威を根絶する計画です。ひとたび機能を確かめられたなら」

「カーン、それは協力して対処すると合意したはずだ。独りで行っては駄目だ」

テフェリーは真剣な面持ちだった。

「待ち過ぎたと言ったのは貴方ではありませんか。力を貸すと約束してくれて、そして待てと言った。もはや待つことはできません」

あのツグミは見えない餌をついばむふりすらしなかった。

カーンはその鳥を手で掴んだ。

「あなたが何であるかは知っていますよ」

 

突如ケーブルとべたつく粘液を弾けさせた小鳥。

まるでカーンを捕食するかのように暴れまわるそれは、彼の抵抗によって壁に叩きつけられると、テフェリー、そしてアジャニが捕捉し、カーンの生成した鳥かごへと収められたのでした。

そのかごを、二勢力の交渉の場へと置いたプレインズウォーカーたち。

ドミナリアの人々は、口々に恐怖と混乱の声をあげたのです。

「奴らはここにいる」 ジョダーが呟いた。「私たちの中に」

「言ったではありませんか――」

ステンがそう言いかけた瞬間、ベナリアの騎士三人がその鎧の内から弾け飛んだ。彼らの両目からはぎらつく黒い油が迸り、顎は膨張し、大きく開いた口に留め付けられた金属製の歯が現れた。

(中略)

それは言った。

「交渉は終わりだ」

もう一体が悶える触手でアロンを掴み、蜘蛛が糸で蠅をそうするように包み込んだ。

 

突如勃発した戦いの中、ファイレクシア人はアロン・キャパシェンとともにバルコニーの外へと飛び出し、アジャニがそれを追います。

迫る軍勢の中、それらを追いかけることも叶わないカーンやテフェリー。

ジョダーがラーダたちへ撤退を言い放つと、カーンはプレインズウォーカーたちとファイレクシア人を部屋へと幽閉しました。

「一日中こうしていたいね」

ヤヤはそう言い、金属と肉が悶える塊へと火球を放った。

「ジョダー?」

「魔力は十分だ」

ジョダーの両目が赤熱し、皮膚までも輝きを発していた。

「だがポータルを作るためには、向かう先を決める必要がある。安全な場所だ」

「アーギヴィーア」 ステンが息を切らしながら言った。

(中略)

「新アルガイヴの監視塔へ」

「申し分なく安全ですね」

カーンはテフェリーと共に、ジョダーの所まで下がった。

 

ジョダーのポータルを通って英雄たちが部屋を脱すると、ヤヤの爆炎が部屋を包みます。

疲労とともに倒れ込むジョダーと、紛れ込むファイレクシアの小型装置。

テフェリーは言います。

ファイレクシアの装置の破壊が必要だと。

そして、この中にファイレクシアに関与している者がいるならば、特定する必要があると。

ジョダー、ヤヤ、テフェリー、ステン……誰を信頼すべきか、いかにして判断できるというのだろう?

ファイレクシア人が既にドミナリアにいるのであれば、誰が信頼できるというのだろう?




今回はここまで

すでに恐怖!

「おや?」と思った瞬間に身体を弾けさせ、正体を現すファイレクシア人。

演出こえー…(;゚Д゚)

そして、カーンは逃げ伸びた英雄たちの中にも、すでに裏切り者がいるかもしれないと疑いを向けます。

果たして、この"人狼環境"の中、カーンは真実を探し出せるか…!?

次回もお楽しみに!

 

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*出典*

メインストーリー第2話:砂時計の砂粒