【カルロフ邸殺人事件】第4回 明かされる真犯人【ストーリー】
はじめに
前回、真相解明のために動き始めたケイヤ&ケランと、プロフト&エトラータ。
プロフトの目の前でクレンコは名もなき男に強襲され、その結果、彼の友であったカイロックスが命を落とします。
時を同じくして、ケイヤの元へは憤怒に包まれたオレリアが姿を現し、犯人として捕らえられていた虐殺少女はそんな記憶はないと語ります。
全てに一貫して、殺害(未遂)の記憶がない犯人たち。
プロフトは今までの鍵をもとに、ついに真犯人の推理を開始します…!
プロフトの推理
オレリアから与えられたのは、24時間の猶予。
そしてその短時間の間に、探偵社の証拠保管部屋への何者かの不法侵入により、グルールの神は解き放たれ。
事態を不審に思ったアグルス・コスはジュディスの元へ向かうも、その後音信不通となったのでした。
一方のプロフトは、エトラータを連れゴルガリの領土を訪れます。
そして目的の人物であったアイゾーニの元へ辿り着くと、プロフトは「彼女を疑っているわけではない」と弁解しつつ、エトラータの部屋にあった黄色い粉について問うたのでした。
無表情のまま、粉の匂いをかぐアイゾーニ。
そして彼女は、これが生物由来であり、ラヴニカに生えているどの植物や菌類でもないと断言したのです。
考え込むプロフト。その目の端に映った、フードの人影。
立ち去ろうとしたその影を追ってプロフトは走り出しますが。
その者のマントを掴まんとしたその瞬間。
側頭部に叩きつけられた何かによって、プロフトは意識を奪われたのでした。
目を醒ました彼が見たのは、青白い部屋。
それは、自らの心の邸宅。
そして、その中で引き出しを漁り記録帳を眺める外套の男。
プロフトは咳払いをした。
「すまない、客人を招いた覚えはないのだが。ここで何をしているのかね?」
「ああ、起きましたか。それとも夢の中で目覚めている類の状態でしょうか」
その人物はまるで面白がっているように言った。その声は歪んでおり、何らかの方法で偽装されているのは明白だった。そして顔を上げずに続けた。
「貴方に会うために来ました。この場所を自分の目で見たかったんです。貴方がここで作り上げてきたものはとても印象的だ」
(中略)
その人物は引き出しから一冊の記録帳を取り出して開いた。
「立ち寄っただけなんです。ラヴニカは経由地であって目的地じゃない。けれど貴方の貢献は忘れられはしないでしょう。時が来たら何らかの形で報われるはずです」
その男は記録帳を外套の中に押し込み、出発するかのように背を向けた。
知的財産を目の前で盗まれてプロフトは抗議しようとしたが、目を開いた瞬間に心の邸宅が砕け散り、頬を突き刺すような熱い痛みに再び意識を取り戻した。

他には誰もいなかった。
そう証言したエトラータとともに、プロフトは街へと戻り、そしてカルロフ大聖堂にケイヤを呼びだしたのでした。
エズリムに信頼された彼女をプロフトも信頼し。
ケイヤも、テイサの手元にあったファイレクシア語のメモのこと、そしてジュディスに教えられギルドパクトを読むも、ラクドスは犯人でないであろうことを語ります。
そして、その帰りに彼女らを襲った襲撃者が、最終的に苔と化したことも。
「探偵さん? 大丈夫?」
プロフトは立ち上がった。彼の合図に慣れていたエトラータは合流するために移動してきた。
「この事件の犯人がわかった」プロフトは言った。
「このすべての犯人が。私はそれを証明できる。だが君に頼みたいことがある。まずエトラータの居場所については秘密にしておいて欲しい。そして説明のために、ちょっとした集会を手配して欲しい……」
ケイヤは彼を見つめた。
エトラータは肩をすくめて言った。
「そのうち慣れるよ」
明かされる真犯人
世界樹ヴィトゥ=ガジーにて。
ケイヤは、各ギルドの要人たちが集まりゆくのを迎えていたのでした。
すでにボロスのオレリアとアゾリウスのラヴィニアは部屋に待機しており。
ラクドスのジュディスは、ギルドマスターラクドスの代わりとして、ケイヤへ冷笑を向けつつ現われ。
探偵社のエズリムは、グルールの代表としてヤラスを連れてきます。
セレズニアからはトルシミール。イゼットのラルはまるでケイヤを憐れむかのような視線で。
その後シミックのヴァニファール、そしてゴブリンのクレンコが続いたのでした。
トロスターニの聖域にて、顔をあわせる要人たち。
すぐさま剣呑な雰囲気が辺りを包み始める状況のなか響いたのは、プロフトの拍手の音。
「エトラータ君に言ったのですよ、全員が揃ってから口論が起こるまでは、卵が茹で上がるよりも早いだろうと。貴女のおかげで私は3ジノを儲けられそうです。彼女もこれでよくわかるでしょう」
「寝言は寝て言いなさい」
部屋の反対側から声がした。エトラータもプロフトと同じように影の中から現れ、椅子の背もたれに寄りかかった。腕を組み、どこか楽しそうに彼女は続けた。
「夢の中でなら好きなだけ賭けなさいよ。私が同意してない限りそれは不成立なんだから」
「う、うーむ。つまらない物事にこだわるのは心が狭い証ではないかね」
やがてプロフトは宣言します。
今この場に、カルロフ邸殺人事件の犯人がいることを。
そしてそのためには、個人個人と話す必要があるのだと。
すぐさま異論反論が湧き上がる中、彼は各ギルド代表からの承認を取り始めました。
オルゾフは代わりにケイヤが、ディミーアはエトラータが、そしてゴルガリは、影から現われたアイゾーニが。
続行の許可を得たプロフトは、まずケイヤを個室へと呼びだします。
訝しげについていくケイヤに対し、そこで腰をおろし、腕を組むプロフト。
ケイヤは相手の言葉を待つも、プロフトは屍のように静止し。
しびれを切らした彼女の問いかけに、彼はただ一言「待っているのだ」と言ったのでした。
突如、壁から生え始めた根。
それはすぐに蕾となり、花開き、そして黄灰色の粉塵を吐き出し…。
その瞬間、プロフトはその花弁を証拠収集用のガラス瓶で覆ったのです。
ケイヤへ感謝を告げつつ、皆のもとへ戻るプロフト。
彼は大仰にその瓶を机へと置くと、参加者へと語り始めたのでした。
なぜ未遂も含めた全ての殺人事件の犯人に、犯行の記憶がないのか。
なぜエトラータともあろう暗殺者が簡単に捕まり、しかし真理の円を騙せたのか。
なぜ立ち入ることのできない探偵社の記録保管庫が破られ、グルールの神が解放されたのか。
そのすべては、この花が原因なのだと。
この花より生み出される粉塵は、一度だけ個人の意思を捻じ曲げることができる。
ヴィトゥ=ガジーの根は街中に広がっており、花は人を操ったのち枯れるがゆえに、証拠も残らない。
そして、そんな植物学的技術を保持しているのは、セレズニアしかいないと。
「私がやった」
その言葉とともに名乗り出るトルシミール。
しかし、罪を被ろうとする行為を高貴なものとは認めつつも、プロフトは彼の自白を否定したのでした。
プロフトは今度はトロスターニへと向き直り、恭しく頭を下げた。
「皆に伝えたいですか、それとも私が伝えましょうか?」
「伝えるとは何をです?」
ヴァニファールが尋ねた。
「ああ、もちろん、彼女こそが殺人犯だということですよ」
プロフトは身体ごと振り向いて一同に顔を合わせ、満面の笑みを浮かべた。自分に満足をもたらすひとつの物事を行う、それを許された男の顔だった。
「お聞きになりませんでしたかな? トロスターニ殿がやったのです、何もかも。彼女こそがずっと黒幕だったのですよ」
今回はここまで
な、なんだってーーーー!?
ですね。
まさかそんな犯人ある?って感じですが。
ちゃんと今回の真犯人には、その動機と殺人方法が…!?
というのが、次回のお話。
説明の都合上だいぶ省いてしまいましたが、プロフトに集められたギルドの要人たちの反応やセリフ回しは特徴的でとても面白いです。
オレリアはすぐカッカしちゃうとか。
だいたい場を制する役をエズリムが買って出たりとか。
クレンコはなんか小物感漂うムーブをしてたりとか…笑
この回はセリフも多いため、ぜひ原文もお読みくださいね!
では次回、殺人事件完結編!
お楽しみに!
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