【”厳粛”編】フレーバーテキストから読むストーリー
はじめに
MTGのカードにたまに付加されているお楽しみ要素「フレーバーテキスト」。
そしてこのフレーバーテキストには、ストーリーの一部を表現したものが存在するため、時にプレイヤーの方はこう思うのではないでしょうか。
「このテキストは、一体どういうストーリーから来ているのだろう…？」
このシリーズではそんなフレーバーテキストから、その背景ストーリーを解説します！
今回は、”破滅の刻”より「厳粛」をご紹介します。
フレーバーテキスト
王神の顕現により、神々と人々、双方への裏切りが明らかになった。
1分解説
アモンケットの人々は、ひたすらに修練に励む。
すべては、約束された完璧なる来世のため。
それは王神が降臨したときに訪れるのだ。
かくして、数十年の時を経て王神ニコル・ボーラスはこの地に舞い戻る。
そして人々は気づかされた。
全ては欺瞞であったと。
神々は知った。
人々を守るはずであった神でさえも、この王神に欺かれていたのだと。
その地を訪れたプレインズウォーカーたちは悟る。
邪悪なるドラゴンによって、この次元はすべて捻じ曲げられていたのだと。
詳しい解説
ギデオン、ジェイス、チャンドラ、ニッサ、リリアナをメンバーとしたゲートウォッチたちは、ニコル・ボーラスの影を追ってアモンケット次元を訪れます。
しかし、彼らが見たのは異様なる光景。
街を闊歩する神。労働力となったミイラ。
そしてなにより、神の試練に挑むべくひたすら修練を積む定命たち…。
アモンケットの者たちとともに試練に臨んだギデオンは、いともたやすく失われゆく命に耐えがたい苦悩を感じたのでした。
<<残酷な現実>>
その修練者が門友を殺害する場面を目撃して、ギデオンのナクタムンの街を敬愛する気持ちは恐怖へと変わった。
駆け付けたゲートウォッチたちも、理解の及ばぬまま。
やがて、約束の時は訪れました。
定命たちの想定を置き去りにし、悪魔ラザケシュは川を血に染めます。
また、蘇った蠍の神、蝗の神、スカラベの神たちは、あろうことか定命を守る神たちを襲い始めたのでした。
蠍の神の前に斃れるロナス。
蝗の神によって食い荒らされる、都市を守る障壁。
そして、終幕にはアモンケットの地に王神が再臨したのでした。
全ての元凶、ニコル・ボーラスが。
すがりつく定命を笑いながら焼き払ったドラゴンを前に、神たちは悟ったのです。
この王神によって、この次元の常識、風習、記憶は捻じ曲げられていたのだと。
そして、この巨龍によって、アモンケットは今"破滅の刻"を迎えるのだと。
小話：イラストについて
フレーバーテキストに関する紹介は以上の通りですが、このカードのイラストはもうちょっと踏み込んだ部分を描写していますね。
上述のような戦いにより、アモンケットの神々は次々と斃されていきます。
そしてそれらもちゃんとカード化されているわけですが…。
その中で、オケチラの死を描いたカードの一枚がこの「厳粛」になります。
ギデオンはテーロス出身ということもあり、神とのかかわりも強いプレインズウォーカーです。
そんな彼がアモンケットにきて敬服したのが、このオケチラでした。
かの神が蠍の神によって斃される瞬間、アモンケットの者たちと同じような悲嘆に暮れていたことが、ストーリーでも明かされています。
（以下抜粋はハパチラ視点）
ハパチラは見上げ、そして恐怖に叫んだ。すぐ頭上で、蠍の神の針がオケチラ神の腹部に打ち込まれていた。
ハパチラの悲鳴と同時に、聞き慣れない悲嘆の叫び声が耳に届いた。
中庭の向こう側にギデオンが、苦悶そのものの表情を浮かべていた。
（中略）
生き延びた市民が一人また一人、神々の死体を見ようと小路や隠れ処から顔を覗かせた。
ハパチラは悲嘆の間に息を切らし、そしてギデオンが今も立ち尽くしたままオケチラ神を見つめているのを見た。
なお、ストーリーではこの後、神を喪った悲しみ暮れるハパチラは、軽蔑とともにギデオンへと告げます。
お前たちと同じ余所者が起こしたことならば、相応の始末をつけたうえで、早々に出て行けと。
辛ぇ…辛すぎるよアモンケットの物語…。
そらカウンターも載らなくなるわ。
ギデオンを始めとしたプレインズウォーカーたちの忠誠度カウンターは、なぜか載っちゃうけど。（！？）
今回はここまで
今回は”破滅の刻”より「厳粛」についてご紹介しました。
背景ストーリーの気になるフレーバーテキストなどあれば、このコーナーにて紹介したいと思います。
リクエスト等ありましたらTwitterや記事のコメントお待ちしております！
では、次回もお楽しみに！
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