【カルドハイム】第4回 ティボルトとの戦い【ストーリー】

2023年3月13日

はじめに

カルドハイムを訪れ、怪物追っていたケイヤは、悪名高いプレインズウォーカーティボルトと出会い、カルドハイムの英傑タイヴァーに助けられます。

彼は同じ悪と立ち向かうものがとして、ケイヤとともに旅することを決めたのでした。

向かうは、デーモンの領界イマースターム。

奇妙なコンビの冒険が始まります!!

 

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【カルドハイム】背景ストーリー紹介まとめ【ストーリー】




目次

デーモンの領界にて

二人が踏み入れたのは、黒雲に覆われ溶岩原が広がる悪魔の領界。

タイヴァーは、以前この次元にはヴェラゴスという悪魔が閉じ込められていたのだと語ります。

固く封印されていた次元は、きっとティボルトによってこじ開けられたのだと。

 

タイヴァーがマグマを横切るように道を創り領界について語る中、ケイヤは同じようにプレインズウォーカーとしての規範を説いたのでした。

このカルドハイムの領界のように、多元宇宙には次元が数多存在すると。

そして、各次元ごとに、新しい規則と友、そして敵が存在するということを。

自分たちは常に異邦人で、新参者なのだ。他人の争いに、戦争に、何度となく遭遇する。

当初は、わくわくした。そしてしばらくすると、疲れるものとなった。

だが、好むと好まざるとにかかわらず、それは選択ではなかった。

 

しかし、タイヴァーはその言葉に不快感を示します。

自分がここから離れてしまったら、誰が自分の英雄譚を伝えるのだ。

そして、誇りあるエルフの規範に沿って生きてきた自分に、余所者からの助言は必要ない、と。

これには、ケイヤも反発しました。

自分は、このような規範を教えてくれるものがいなかったから、自分は傭兵や殺し屋にならざるを得なかったのだ、と。

石頭のエルフについていくのも馬鹿馬鹿しくなり、その場を離れようと思ったその時。

銛のような武器が、タイヴァーの足元に直撃したのでした。

「右よ!」ケイヤが叫んだ。

冷えたマグマの塊を切り裂いて向かってくるのは、おそらくは、船だった。

(中略)

「デーモンだ。気をつけたまえ」




タイヴァーの能力

船から強襲してきたデーモンに、ケイヤとタイヴァーは戦闘を余儀なくされます。

先のトロールとの戦闘で武器を失ったケイヤは、幽体化の力のみで悪魔と立ち向かったのでした。

赤熱するデーモンの身体に、文字通り"手を焼きつつ"戦うケイヤと、軽やかな身のこなしでそれらをマグマへと突き落していくタイヴァー。

悪魔を全て斃した後、タイヴァーはケイヤの戦いぶりを褒め称えたのです。

「素晴らしかった!」とタイヴァー。

「いえいえ。あなただって――」

「あのデーモンの族長は貴女の倍もあったではないか! 私が知る英雄譚の中でも、一体のデーモンを倒してのけた人間がどれほど稀か。思うに貴女は他者に多くを語らないだろうが、二体を倒したのだ! それも武器もなしに! これはスカルドが耳にすべき戦いだ。全てが終わったなら、私自ら語り伝えるとしよう!」

「ん、ありがとう」

ケイヤは力を抜いた。まあ、そうすればこの若者も栄光を共有できるのだ。

「けどまた同じことをやるなら、武器があった方がいいわ」

タイヴァーは何かを思いついたようだった。

「もちろんだ。少しいいだろうか」

 

タイヴァーはデーモンの落とした斧から金属を取り出します。

それは彼の手の中で歪曲し、広がり。

そして、ケイヤの体格にあったサイズの手斧へと変性したのでした。

「あらゆるものに成長の余地がある」 タイヴァーは背筋を伸ばした。

「樹木、人々――それらはわかりやすい。だが土や石も同じなのだ、十分な時間と辛抱強さがあれば。それが無いならば、少しの魔法があればよい。前に言ったが、私の能力はそれぞれの領界で、異なった姿で表れる。このような命なき地では、何もかもが必死に成長したがっていると私は判断した。金属さえも。そして私の考えは正しかった」

彼はにやりとした。

(中略)

「素早く軽い。貴女が好むはずだ。どうだろうか?」

(中略)

「ありがとう」 ケイヤはそう言って、その斧ともう一本をベルトに押し込んだ。

タイヴァーは彼女の肩を叩き、にやりとした。

「貴女なら活用してくれるだろう。さて、追いつかねばならない悪者がいる。このまま進むかい?」

 

タイヴァーとともに、「血の岩山」を登る道中。

ケイヤは、眼下に何百もの船を見たのでした。

そこで彼女は理解します。

自分たちが先ほど戦ったのは、これらの一部であったこと。

そして、本体たる船団は自分たちを目的にしているのではないこと。

何百もの軍勢が目指す先。

それは、例の剣によって作られた次元の裂け目であろうこと。

ケイヤはタイヴァーへと呼びかけます。

「いい、あいつはドゥームスカールを起こそうとしているの!」

「惜しい」 頭上から別の声がした。「もう起こしてんだよ」

前方の角から焼け付く炎の稲妻が放たれ、ケイヤは飛びのいた。炎の舌が頬をかすめた。




嗤う悪鬼

頭上の尾根にいたのは、にやつき顔のティボルト。

ケイヤの号令で、2人はティボルトの剣を奪うべく走り始めます。

悪鬼は、その二人の攻撃を躱しつつ、あたりを煙で覆っていったのでした。

視界を奪われ、敵の姿を見失う中、ケイヤはティボルトからの攻撃に身構えます。

そして、それと同時に「ある思考」が頭をよぎるのでした。

逃げるなら今のうちだ。

(中略)

もうどうしようもない。ティボルトはもうドゥームスカールを起こしてしまった。まだここで何をしているの?

(中略)

この次元の問題は私の問題じゃない。ここの人たちに借りがあるわけでもない。逃げればいい――久遠の闇へ飛び込んで。ここから逃げる。自分の身を守る。結局のところ、それが一番。

(中略)

とても簡単なこと。ここには苦痛しかないのだから。

 

何かがおかしい。

そう気づいた時には、時すでに遅く。

ティボルトの剣は、ケイヤへとどめを刺すべく、目の前まで迫ってきていたのでした。

攻撃を防ごうにも、重すぎて上がらない腕。

本能的に目を閉じた時。

金属音とともに立ち塞がったのは、腕輪のダガーで攻撃を止めるタイヴァーだったのです。

「何者だ、てめえ?」

素早くも慣れた仕草で、タイヴァーはティボルトの手から剣を叩き落した。

「タイヴァー・ケル。エルフの王弟にして、カルドハイム最高の英雄でもある」

 

晴れゆく思考の中で、ケイヤは自分が精神魔法にかけられていたのだと気づきます。

ほとんど芸術的とも言える、ティボルトの魔法。

しかし、なぜタイヴァーはその影響を受けないのか?

ティボルトの襟首をつかんで地面へと叩きつける青年を見て、ケイヤは察します。

そうだ、彼のまとう自信には、ティボルトが助長させる不安や疑いが一つもないのだ、と。

 

タイヴァーに封じ込められたティボルトは、捨て台詞とともに次元を去ったのでした。

消え去った目の前の脅威。

しかし、それに安心することなどできないと、空の裂け目を目指して飛び続けるデーモンたちが告げていたのです。

デーモンたちの行く先へ警告しようと動き出すタイヴァーに、ケイヤは告げます。

これ以上、自分たちができることなどないと。

ここはいったん次元を離れ、自分たちが生き残ることを優先すべきだと。

タイヴァーは身をよじって離れた。

「つまり、貴女がたはそうなのか――気に入らぬ方向に世界が転じたならすぐに消える。面倒事になればすぐに消える。貴女とあのティボルトも、結局は大差ないということだ」

その言葉は想像以上に痛い所を突いた。頑固にならないで、あなたも殺されてしまうかもしれない――そのような返答を形にしようとしたその時には、タイヴァーは既に領界路を開いていた。彼は振り返って言った。

「それがプレインズウォーカーというものであれば、私はその一員にはなりたくない」

その言葉を残し、彼は扉をくぐっていった。

(中略)

まだ、逃げられる。まだ、逃げた方がいい。それが賢明な選択。それが自分の規範。

けれど、脳内のあの声を考えずにはいられなかった。ティボルトやタイヴァーに出会う前から、いかにしてか聞こえていたあの声を。

ケイヤは罵りを呟き、深呼吸をし、タイヴァーを追って扉へと踏み込んだ




今回はここまで

 

漫 画 か よ

「プレインズウォーカーという存在と生き方」にあまりにも慣れすぎてしまったケイヤと、若(あお)く、そして傲慢かつ無知であるがゆえに、自らの正義を絶対に曲げないタイヴァー。

以前も書きましたが、ウィザーズはコンビの作り方と、その対比のさせ方が上手ですよね~。

ギデオン亡き今、正義の体現者は君に託されているかもしれんぞ!タイヴァー君!

いいぞ!もっと活躍しろ!!

 

と、いうわけで、ケイヤとタイヴァーは、起こってしまったドゥームスカールへと飛び込んで行くことになります。

カルドハイムの決戦やいかに!

次回もお楽しみに!

 

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*出典*

MAGIC STORY メインストーリー第4話:デーモンの領界へ