【機械兵団の進軍】第3回 エルズペスの覚醒【ストーリー】
はじめに
前回、新ファイレクシアへと突入したチャンドラとレンでしたが、完成化したニッサに阻まれ、危機に陥ります。
さて、そんな彼女らとは別の場所にて。
もう一人の英雄ーエルズペスが目を醒まそうとしていたのでした。
数多の次元を救うため、爆破寸前の酒杯とともに次元渡りした彼女は一体どうなったのか。
ストーリーの続きを追いましょう…。
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選択の時
はじめにエルズペスが見たのは、かつて自分がいた地下牢。
そこで、彼女は一人の女性と出会います。
それは幼き頃の自分であり、母親であり、見知らぬ女性。
周りの風景は移り変わり、今度は故郷の村。
その女性は言いました。
エルズペスは、今一度選択をしなくてはいけないと。
残りの時間はわずかな中、その選択に自身の欲求を持ち込んではならないと。
目の前で積みあがっていく石たち。
それは街を形作る。ニューカペナの街を。
「何を選べというのですか?」
「あらゆる次元が燃えています。あなたもそのいくつかを見てきましたが、すべてではありません。すぐに他の状況についてもわかるでしょう。どこに介入するかを選ぶ必要があります」
声はそう告げた。
エルズペスがなぜか忘れていたファイレクシアの存在を思い出したとき。
周りを取り巻くニューカペナの空は赤く染まり、その街では一体の天使が残虐を尽くしていたのでした。
その天使、名をアトラクサ。
かつての故郷、この街をその両手で救うのかと問いかける女性の声。
しかし、エルズペスは答えます。
ここではない、と。
轟音とともに再び移り変わる世界。
いくつかの光景を映し出したのち、それは満点の星空のもと止まったのでした。
またしても彼女にゆかりのある地、テーロス。
「おかえりなさい」
エルズペスの口が開いた。すぐに彼女は虚空の中で振り向き、その声の主を探した。
「ダクソス?」
「立場が変わっても、君は僕を覚えてくれているんだね」
と彼は言った。その声は温かく、蜜のように甘い。それを聞いただけで、魂の緊張がほぐれてゆく。
「賛辞として受け取っておくよ」
「ふざけないで下さい」
とエルズペスは言う。
「貴方のことは、忘れようとしても忘れられませんでした」
だが彼の姿は見えないと気づき、エルズペスの胸が強張った。
姿なきダクソスの声は伝えます。
一人のレオニンーアジャニはテーロスの信念を捻じ曲げ、神々の三柱を堕落させてしまったと。
エルズペスなら、彼を救うことができるだろうと。
変容してしまったかつての戦友の姿を目にし、彼を救いたい気持ちと、同時に沸き起こるダクソスの元へと戻りたいという気持ち。
その誘惑を感じつつも、彼女はもう一つの「この判断には自身の欲求を入れてはいけない」という理性に揺れていたのでした。
彼女の心は二つに割れていた。一方の感情は、神殿の外の海のように荒れ狂っている。もう一方は、沐浴の水辺のように穏やか。
ダクソスの両腕が彼女の腰に回された。
「何をしなければならないか、君はわかっているはずだ」
「それを言わせないでください」
彼女はそう言い、彼に身を預けた。
けれどそこには誰もいない。
世界が再び崩れ落ちた。
エルズペスの決断
落ち続けたエルズペスが行きついた場所。
それは、二度と戻りたくなかった場所。
世界樹は天を貫き、その根元にはエリシュ・ノーンがいたのです。
そして彼女の目の前にて、機械に磔にされたウラブラスクは、その四肢を引き剥がされていたのでした。
ここは新ファイレクシア。
赤の法務官が片づけられたのち、代わりに運ばれてきたのは分解されたカーン。
そして満身創痍のコス、レン、チャンドラ。
エルズペスは剣に手を伸ばした。
「自分が何をしているのかを考えてください。選択の機会はただ一度きりです」
再び女性の声がした。
「誤った選択をすれば、ここですべてが終わります」
「ノーンは斃さなければなりません」
エルズペスはそう答えた。
彼女を斃しても、脅威は終わらない。
女性がそのように忠告する中。
エルズペスの眼前でノーンは宣言します。
下等な存在へファイレクシアの寛大さを示すべく、この者らを完成させるのだと。
命を受けたジン=ギタクシアスが一礼をし、そして彼らへと一歩を踏み出した時。
全てが停止し、その場の時間が凍り付いたのでした。
「その時が来た」と告げた女性は、この決断で良いのかとエルズペスへ問います。
彼女はしばしの熟考ののち、自分なりの答えに行き着いたのでした。
レンが樹に辿り着くまで、ニッサを相手に時間稼ぎをすることこそが、自分のすべきことであると。
これこそが、正しい行いであると。
そして同時に彼女は、この決断に恐怖を感じていることに気づいたのです。
「私もできればと望んではいますが、あなたと共にこの脅威と戦うことはできません。ですが、あなたを本来あるべき姿へと鍛え上げることはできます」
(中略)
女性はエルズペスを抱きしめた。
「恐怖はいつも最後に去るものです」
と女性は言った。
「あなたは何度もそれを制してきしました。今は立ち向かうのです、エルズペス」
それが、セラが消え去る前の最後の言葉だった。
生まれ変わるというのはなんと奇妙な感覚なのだろう――自身が蛹から羽化するような。
(中略)
これまでずっと、彼女は眠っていた。今こそ目覚める時、本来あるべき姿になる時。
ジン=ギタクシアスが爪を振り上げる。
エルズペスの剣がそれを受け止めた。
今回はここまで
んぎゃあああぁぁぁぁぁ!!カッコいい!!!
物語冒頭からまるで死の淵を彷徨っているようなエルズペスの描写。
そんな中で決断へと誘うこの女性は一体…?と思ってたらなんとセラ様!!
そしてエルズペスは「あるべき姿」として、大天使へ覚醒を遂げます。
え、エルズペスは天使だったということ…!?
ニューカペナでジアーダと意気投合したのも、天使の賛歌を聞いたのもこの伏線だったのね…!!
というわけで、あまりにもカッコいいストーリーラインにて、新ファイレクシアに再び”舞い降りた”英雄エルズペス。
彼女が味方陣営を救う希望の刃となるか!
次回もお楽しみに!
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