【イクサラン】第4回 ファートリとアングラス【ストーリー】

2021年4月11日

はじめに

イクサランのストーリー紹介第1回~第3回では、この次元に迷い込んだジェイスと、ボーラスによって派遣されたヴラスカのお話をご紹介しました。

しかし!イクサランの主人公たちは彼らだけではありません!

イクサランで初登場したプレインズウォーカーたちも忘れちゃいけない!

というわけで、今回はファートリと、アングラスの物語を。

 

ファートリとアングラス

太陽帝国。

そこに騎士として仕えていたファートリは、帝国を守ることで武勲を上げつつ、たった一つの地位を求めていたのでした。

それが、戦場詩人という勲章。

一世代に一人しか与えられないその称号を獲得するため、彼女は工程の信頼を得るべく任務についていたのでした。

事実、彼女はその立場に最も近い人間であったのです。

 

ファートリはその日、徒弟インティとともに、海岸に停泊していた海賊集団「鉄面連合」の野営地を襲い、彼らを撤退させるべく奮闘していたのでした。

恐竜に騎乗し駆ける彼女は、唐突に地面に投げ出されます。

振り返ると、恐竜の足には赤熱した鎖が。

そして、その奥には長身の怪物がいたのでした。

「お前の名は?」 彼女は呼びかけた。

その獣は両手を伸ばした。焼け付く鎖が恐竜の両足から蛇のようにその腕へと戻り、次なる攻撃のために巻きついた。異様な炎が獣の喉に燃え、鼻孔から蒸気が上がった。

「戦慄の海賊、アングラス。不滅の太陽を探し求めている」

 

長い付き合いであった恐竜を殺され、ファートリは怒りとともに雄牛頭の怪物へと突進しました。

しかし、アングラスは複数の鎖を振り回し、ファートリの攻撃を退けます。

それは、彼女がイクサランで見たどの戦いとも異なるものでした。

やがて、ファートリは悟ります。

自分、そしてインティはここで死ぬのだと。

そして、その瞬間彼女の中で何かが弾けたのでした。

身体が分解するかのような感覚。

感じていた苦痛は全て消え。

彼女は見たのでした。

黄金に輝く都市を。見たこともないきらめく金属を。空の雲に脈打つ魔力を。

それらは唐突に消え、現実へと引き戻されたファートリは、自分の上に浮く幾何学の紋様を見とめたのでした。

恐怖が心に生じ、彼女は息をのんだ。

そして、まだアングラスが目の前にいることを思い出した。

海賊は唖然と見つめていた。鎖はその腕に戻っており、牛の両目は驚きに見開かれていた。

インティは呆然として、だが生きており、彼もまたファートリとその頭上に浮く輝く紋様を見つめていた。

海賊は手を伸ばし、ファートリを指さした。

「お前もなのか!」

ファートリは地面に片手をついて身体を起こそうとした。頭上の印は消えた。彼女はかぶりを振った。

脈絡も完全な自覚もなく、言葉が口から滴った。

「わからない、何が起こったの」

アングラスは牛の顔で精一杯に笑った。

「このくそ忌々しい次元で俺以外に会えるとは! 助け合って脱出しようじゃねえか!」

 

招くように手を伸ばすアングラス。

しばしの見つめあいののち、ファートリはその体へと刃の一閃を浴びせると、海賊が悲鳴を上げるのを背後に逃げ出したのでした。




冒険者として

自分の生きてきた世界が揺らぐかのような体験。

見たこともない怪物の強襲。

自分の身体が消えゆくような感覚。

そして、見えた黄金の街。

ファートリは一つ仮説を得たのでした。

自分は見てしまったのだ。不滅の太陽の眠る黄金の都、オラーズカを。

 

ファートリは皇帝の元へ訪れます。

そして、この一連の出来事を伝えたのでした。

これを聞いた皇帝は、熱を帯びたように話し始めます。

それは、オラーズカに違いないと。

その幻視を見たファートリこそ、ここを目指すにふさわしいと。

ファートリは当惑に拳を握りしめた。

「ですが、陛下、戦場詩人が探検に赴くことはありません。私は、探検に赴くなど考えたこともございません!」

「行くのだ。故に、戦場詩人は行く」

ファートリははっとした。皇帝は今、何をほのめかした?

皇帝は立ち上がり、談話室を横切った。そして壁にかけられた兜を手に取ると、再びファートリへと歩いてきた。

それは戦場詩人の兜だった。

ファートリの鼓動が高鳴りだした。

アパゼクは誇らしく、晴れやかな表情で告げた。

「ファートリよ。黄金の都オラーズカの位置を突き止めたなら、戦場詩人の地位はそなたのものだ」

ファートリは震える息を吐いた。

 

皇居から宿舎へ戻ったファートリは、インティへとこのことを告げます。

彼はありありと驚いた後、うなずいたのでした。

旅へ出る不安を口にするファートリに、インティは自分とテユーを連れていくことを進言します。

ファートリは視線を落とした。

「私は今までずっと、戦場詩人になるために訓練してきた。でも現実よりも神話の都市を探すことになるなんて」

「君は、行きたいって思ってる? それともただ成功したら貰える地位が欲しいだけ?」

その答えは喉に引っかかり、腹の奥での反応に彼女は驚いた。だがそれでも、彼女は思考を声にした。

「黄金の都を見つけたい」

心臓が震えた。探究者、それは驚くべき概念であり、なりたいものとして考えていた何からも、完全に異質だった。それでも、容易いものではない何かを成すという考えには興奮を覚えた。

「インティ、私でない何かになれるかもしれないなんて、考えたこともなかったのよ。どちらか一つだけじゃないものになりたいの」

「君はもうなってるじゃないか」 インティはそう言って、立ち上がった。

「テユーを探して知らせておくよ。朝には恐竜で出よう。案内してくれる川守りを探しに」




今回はここまで

イクサランにおけるもう一人の冒険者、ファートリの冒険譚序章でした。

ちなみに、彼女は灯に覚醒した瞬間の描写から、幻視として見たのはオラーズカではなく、カラデシュだということがわかります。

ジェイスと同様、不滅の太陽によってプレインズウォークを封じられた彼女は、遠いカラデシュの地を垣間見て戻ってきてしまったのでした。

カラデシュのフルアートを見れば…確かに"黄金の都"とも勘違いしてしまうか 笑

 

そして、ファートリがプレインズウォーカーとわかった途端の、アングラスの手のひら返しようが大好きですね!

今後のストーリーでも出てきますが、彼はプレインズウォークの過程でこの次元へ閉じ込められ、愛する娘に会うがために不滅の太陽を探し出しここから抜け出すことを目指しています。

粗野な言動と荒っぽい見た目とは裏腹に、このかわいらしすぎるキャラクターがアングラスの最高な部分です。

 

というわけで、これにてメインの役者は揃いましたね!

ここからイクサランを舞台にした、不滅の太陽争奪戦が始まりますよ!

次回もお楽しみに!

 

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*出典*

MAGIC STORY 問われる自信

 

Posted by オクハラデン