【イクサラン】第5回 不滅の太陽争奪戦【ストーリー】
はじめに
前回までで、イクサランの物語におけるプレインズウォーカーたちの動向をご紹介しました。
イクサランのストーリーは、オラーズカに眠るといわれ、神秘的な力を持つ「不滅の太陽」を巡る、いくつかの勢力の争奪戦です。
1つ目は、太陽帝国から派遣されたファートリ
太陽帝国の皇帝は、自身の国の力を絶対的なものとするべく、その秘宝を手に入れるために黄金の都の幻視を見たファートリを冒険へ向かわせます。
2つ目は、ボーラスに遣わされたヴラスカ
これはこれまでの部分でご紹介した通りですね。
ジェイスもその目的を共有されつつ、彼女に同行しています。
3つ目は、次元を訪れたら帰れなくなってしまったアングラス
愛する娘を故郷に置いたまま次元から出られなくなった彼は、一刻も早く愛娘に会うために不滅の太陽を目指しています。
4つ目は、川守りといわれるマーフォークたち
彼らはイクサランの歴史で最も古い種族であり、オラーズカの場所を知らないながらも、不滅の太陽と黄金の都が誰にも奪われぬよう守っています。
5つ目は、薄暮の軍団と言われる吸血鬼たち
彼らは不滅の太陽を得ることで永遠の命を得られると信じており、その獲得のために力を注いでいます。
今回は、こんな役者たちがオラーズカ近くに集うまでのお話。
↓ストーリーのまとめはこちら↓
イクサランのマーフォークたち
川守りのシャーマンたち、風や水や密林の環境を操ることのできる彼らは、その名を形成師。
その日最年長の形成師ティシャーナ、最年少の形成師コパラに、憎悪に満ちた目で近づいてきたのは、形成師クメーナでした。
彼は、捕らえた太陽帝国の兵士を投げ出しながら、聞き出した内容を告げます。
幾つもの勢力がオラーズカを目指していると。
一人は雄牛頭の海賊。
もう一人は、不可思議なコンパスを持った、蛇髪の女海賊。
そして、黄金の都を幻視した太陽帝国の勇者。
クメーナは、最年長のティシャーナへと敵意ある目を向けたのでした。
目前に危機が迫っているのに、場所もわからないオラーズカをただ守るのか、と。
ティシャーナ師は目を狭めた
(中略)
「オラーズカを悪用する者は全て、全力で防がねばならないのです。それが私達自身であっても」
「もう手遅れです。(中略)時は来たのです。我ら自身が不滅の太陽の力を行使せねばなりません、さもなくばそれが敵の手に落ちるのを見ることになるでしょう。太陽は空から落ち、水は冷え、我らを抱くこの大地は墓となりましょう。今、断固として行動しない限りは。選択の余地はありません!」
不滅の太陽奪取を唱えるクメーナと、ただ侵入者の排除のみを唱えるティシャーナ。
二人の対立をよそに、海岸へと船団が迫るのを感じ、クメーナはその場へと向かいます。
そして、ティシャーナが着いた頃には、彼の起こした嵐は、迫りつつあった船を叩きのめしていたのでした。
「これ以上の生命を危険にさらすのはおやめなさい。偶発に偶発で応えるのはおやめなさい。非道に非道で応えるのはおやめなさい」
クメーナの呪文が逸れるのを感じた。
(中略)
「あなたは自分が年長者よりも賢いと思っていますね。それが敗因となりますよ」
「そして、貴女にとっては年齢がそれとなる」
肩越しに見た瞬間、クメーナの拳が顔面に叩きつけられた。
そして全てが暗転した。
薄暮の軍団のヴォーナ
吸血鬼のヴォーナは、巨大なる船『喧嘩腰』号を追っていたのでした。
そこには、食べごろの人間たちが揃っている。
そして、自分たちは黄金の都のある大陸上陸前に、「腹ごしらえ」が必要だと。
しかし、彼は船が突然の大波に襲われたことを感じます。
「嵐はどこから来た!?」 彼女は航海士へ叫んだ。
その人間は六分儀を岸へ突き出した。
「呼び起こされたに違いありません! イクサランの川守りは名高い――」
「そいつらが何に名高いかはどうでもいい! 鉄面連合の船に向かいなさい――近づいて乗り込める距離なのだから!」
嵐は船を襲い、投げ出された彼女はなんとか岸へとたどり着いたのでした。
背後に船の残骸、周りには乗組員の死体。
しかし、自分をここに送り届けるという目的を達成した彼らを、ヴォーナは無視します。
ヴォーナは自らのそれと並んで岸に打ち上げられた海賊船を見て、これは思いがけない巡り合わせだと知った。
ヴォーナは興奮した。もし噂が本当であれば、例のコンパスを持つ異邦人はあの船の船長だ。
(中略)
彼女は忍耐強い方ではなかった。ついて来られるなら、乗組員は追ってくるだろうとわかっていた。
それを置いても、この先に待つ任務に彼らは必要なかった。自分はマガーンの鏖殺者、不滅の太陽を手に入れるのだ。
コンパスの謎
「喧嘩腰」号の船内で、ジェイスはヴラスカに頼まれたコンパスの解明に努めていました。
複雑な機構をしたそれは、パズルのようになっていることに気づきます。
彼はコンパスを組み上げなおすことで、このコンパスは強力な魔力の方向を指し示していることを悟ったのでした。
そして、それがオラーズカの中心地であろうことも。
ジェイスは発見の喜びに満ちたまま、ヴラスカへ報告すべく甲板へ駆けあがります。
しかし、ヴラスカは空を睨んでいたのでした。
「ジェイス、下にいな。薄暮の軍団の船が近づいてる、それに前方には雷雲と嵐だ」
「今日、上陸するんでしたよね?」
「そうだ。それもある。薄暮の軍団、嵐、上陸。三つ同時は避けないといけない」
不意に空が裂け、猛烈な雨が「喧嘩腰」号の甲板へと降り注いだ。ヴラスカはジェイスの両肩を強く掴んだ。
「下へ戻れ!」
雷鳴が轟き、船は激しく横に傾いた。
船の帆をも越える大波。
命令を飛ばすヴラスカ、コンパスをしまうジェイス。
揺れる船の中、船員は次々と船から投げ出されていったのでした。
ヴラスカが考え、決断するのをジェイスは見つめた。彼女は岸へ視線をやり、そして乗組員らへと叫んだ。
「船を捨てろ! 船を――」
水の壁が船腹を越え、ジェイスとヴラスカへ叩きつけた。
海水に甲板から押し流されながら、二人は互いへと手を伸ばした。
そして「喧嘩腰」号は岩に激突した。
戦場詩人と川守り
マーフォークたちが嵐を起こし、船が座礁する中、ファートリはその沿岸にいたのでした。
船を見渡せる位置で気を失っていたのは、年長のマーフォーク。
ファートリは、このマーフォークが嵐を起こしたのだと確信し、またそれほどの者であればオラーズカの場所を知っているのではないかと踏みます。
ティシャーナと名乗るマーフォークを起こした彼女は、黄金の都への案内を頼まんとしたのでした。
「私の内なる何かが、都を見させたのです。それは私の任務が、太陽帝国と川守り両方が生き残るために極めて重要なものである証拠だと確信しています。我々は敵同士ではありません」
(中略)
マーフォークは膝をつき、ファートリと目を合わせた。
「世界の端へ浮上した際に都を見たというのなら、あなたを信じましょう」
(中略)
「ですが告げておかねばなりません、ファートリさん」 ティシャーナは睨み付けた。
「都へ向かうのは、クメーナを遠ざけるためです。あの子の存在はあなただけでなく、私達をも脅かすでしょう。そして、もしもあなたがオラーズカを自らのものにしようとするなら、私は躊躇わずに殺しますからね」
ティシャーナが翡翠の像を取り出すと、それはエレメンタルの姿を取り、密林をかきわけていったのです。
ついてくるように促すマーフォークは、警告するかのように告げます。
オラーズカの場所は、川守りにもわからないと。
正確な場所は、漂着した女海賊が持っていたと言われるコンパスを手に入れるしかないと。
今回はここまで
さて、役者揃う!ですね!
以降は、上に出てきた者たちによる不滅の太陽の奪い合いが展開されます。
アングラス?大丈夫、後でちゃんと出てきますから。
ちなみに、ヴラスカにコンパス解明を託されたジェイスですが、謎を解いた彼は、その発見をヴラスカに伝えるべく梯子を二段飛ばしにして甲板へと向かう描写があります。
純情か。かわいいか。
さて、次回はヴラスカとジェイスの旅の続きから!
お楽しみに!
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