ジェイスとヴラスカの因縁【ストーリー】

2021年4月11日

はじめに

次回以降は、イクサランの物語をご紹介予定です。

イクサランでは、物語の主軸の一つとして、ボーラスに敗れ記憶を失ったジェイスと、ボーラスの命令によりイクサランを訪れたヴラスカが手を組む冒険譚があります。

その物語をご紹介する前に、今回はラヴニカ時代のジェイスとヴラスカの因縁について、予習をしましょう!

 

不穏な殺人事件

ラヴニカにて。

生けるギルドパクトとなったジェイスの元に届いたのは、複数の殺人事件の記録。

その死因は全て「石化」。

そのうえ、彫像化された死体は広場に安置され、ゴルガリ団のシンボルの形を形成していたのでした。

 

記録を追っていたジェイスは、その過程でとあることに気づき、悪寒を感じます。

犠牲者達の名前は、彼にとってに特別な意味に読み取れたのでした。

Linna Stradek. Shann Dilara. Haszin Dycar.

つまり、Innistrad. Shandalar. Zendikar…

「ラヴニカ以外の世界」を知らない者にしかわからない名前に。

 

急ぎ広場に向かったジェイスを迎えたのは、ゴルゴンの女性。

ジェイスもその名前をきいたことがあったのでした。

ヴラスカ。

そして、彼女がプレインズウォーカーであるという事実を、この時初めて知ったのでした。

そのゴルゴンは、余所者ながらこのラヴニカのギルドパクトとなったジェイスを糾弾します。

「俺はただギルドが殺し合うのを押し留めようとしているだけだ。この責任は俺に振りかかった、そして俺は真面目に受け止めている。君は助力を申し出るために俺をここに連れてきたんじゃない、そうだな?」

「なら、私は何を望んでいると?」

ジェイスは熟考した。「俺を殺すこと」

「どうして私がそれを望むと思う?」

(中略)

「お前はラヴニカを支配したいと思っている」

「おまえが死ねば、都合のいいことに私の手は自由になる。おまえ自身とおまえの途方もない詐欺で、私は造りものの限界を負わせられた。そう、その通り」

彼女は何でもないように言った。

「私はおまえを今ここで殺すつもり」

ヴラスカは素早く飛びかかるようにジェイスと顔を合わせた。

 



ジェイスvsヴラスカ

ヴラスカが目を合わせた途端、ジェイスの姿は虚ろに消えゆきます。

「幻影はなしにしない?」とヴラスカ。

柱の背後から姿を表したジェイスは、お前の狙いは今すぐ自分を殺すことではないだろうと投げかけます。

「お前は俺をギルドパクトの役職に就けたまま、俺を操りたいと思っている。お前の好みに合わせて俺の判決を揺さぶりたがっている。俺の弱みを握っているとでも言うのか? 俺を動かせると?」

(中略)

「私はおまえが大切にする沢山の、とても沢山のものを危険にさらす。そして、おまえは私のために働くってわけ」

「お前の思い通りにはならない」

「ふうん、でも私はおまえを凄く困らせてやれる。こんな見出しを考えてみなよ、『生けるギルドパクト、石化殺人を防げず!』『ギルドパクト庁舎の階段に更に十体の彫像が!』 怒り狂うギルドの代表者どもをおまえの職場になだれ込ませるのは言うまでもなく、ね」

「諦めろ。地下に帰れ。もしお前が出しゃばらないでいるなら、俺はこの事件を表立てないでいてやる。ラヴィニアにもそうさせる」

「私の手下におなり、そしてあの女とはもう付き合わないことよ。私の邪魔をする者は皆、その報いを受けるのだから」

「断る。ラヴニカは俺の保護下にある」

 

ヴラスカが不満の息を漏らすと、ふいにジェイスの背後に回り、触手がその首を締め上げます。

ジェイスは続けざまに幻影を放ち、ヴラスカがそれを視線で対応していくうち、二人は石化された彫像の中に閉じ込められる形となったのでした。

石檻に閉じ込められる中、全ての彫像の口が告げます。

「お前の勝ちだ」

ジェイスはお前に協力する。しかし、そのためには計画の全容を知らなくてはいけないと。

満足げにヴラスカは言いました。

すべてのギルドを無力化し、その力を奪うのだと。

「ヴラスカ、お前は、ギルドマスター全員を暗殺するつもりなのか?」

「私は殺すために生まれた」 彼女は言った。

「私に答えるものは沢山、影の中にいる」

「ありがとう」 彫像達が言った。そして皆、頭を下げた。

「それで全部か?」 彼らは詠唱した。

ヴラスカは自分を囲む彼らを見た。「何だ?」

その瞬間、彫像達の眼がひらめき、ヴラスカを眩しい光で浸した。彼女は手を掲げてその輝きから顔をかばった。

「今夜サンホームにて、多くのギルドの指導者達が集う頂上会談が開かれている」

ジェイスの彫像達が無感情に言った。

「お前の声明は参加者全員へと公開されていた」

ヴラスカは罵るように言った。

「取引は終わりだ、ベレレン。今ここで死ね」

彼女はジェイスの首をずっと掴んでいた鉤爪の手で、それを握り潰した。

彼は岩の破片となって砕けた。

 

ヴラスカがジェイスだと思っていたものは、自身が放った暗殺者の一人。

彫像の石檻の中で、ヴラスカの怒りの咆哮が遠くこだましたのでした。

 



救うべき者

頂上会談でヴラスカの自白を聞いたラヴィニアは、なぜ始末でなく自白という形を取ったのかとジェイスに問います。

ジェイスは、それ以外の方法は取れないほどに逼迫した戦いであったと弁明しつつ、彼女とのやり取りの一つが忘れられないでいたのでした。

「ラヴニカは幸せだこと」 ヴラスカは罵るように言った。

「カリストのように守るつもりなのかい? それとも、カヴィンみたいに?」

彼女は確かに、ジェイスの過去を深く掘り下げていた。彼は疑問に思った。この女は自分の人生について他には何を知っているのだろう、そしてその情報源は何処なのだろうと。

「それと、野生語りのガラクはどうかしら?」

「俺は過ちを犯した。だが俺は自分の地位を、罪滅ぼしのために――待て、ガラクがどうした?」

ヴラスカはふん、と鼻を鳴らした。

「彼に何があったのか、知らないのねえ?」

「何故だ? 何があった?」

「気にすることないわよ。今までと同じように、おまえは確実に彼も失うってこと。おまえは疫病なのよ、ベレレン。守ろうとした相手を苦しめてしまう。」

ラヴィニアは彼を窺った。

「『少しの間留守にする、何処へ行くかは聞かないでくれ』という顔をしていますよ」

「数日で戻るよ」

「ここにいて下さい。やるべき調停があります。人々を安心させて下さい」

彼は外套を引き寄せた。

「ギルドパクトは人々に安全を与え、守るためのものだ」彼は呟いた。

「だけど、俺はただ皆を更に危険にさらしてるだけだ。それに、ガラクに何かあったらしい」

「どなたです?」

「多分、俺がまだ失っていない人物だ」

 



今回はここまで

イクサランの物語に入る前に、まずはラヴニカでのヴラスカとジェイスの因縁をご紹介しました。

主にセリフ回しに注目していただきたかったので、引用多めになってしまいましたね。

この会話の感じが!イクサランの物語で!どう変化するか!!

が見所なのです!!

ぜひ、イクサランでの彼らの冒険譚にご期待を!!

 

ちなみに、ジェイスはこの後、リリアナによってもたらされた呪いで暴走するガラクを救うべく動き、彼の呪いを押しとどめるために面晶体を埋め込みます。

これにより、一時的にその呪縛を和らげたガラクは、そのままエルドレインの物語へとつながっていくのですね。

エルドレインのストーリーでは、彼の首の下に面晶体が埋まっていることも記述されています。

このへんの「繋がっていく感」はマジックのストーリーの魅力の一つなのですが、今回は話が逸れてしまうのでまたいずれかの機会で…

 

さて!予習も終わったところで、次回からイクサランのストーリー紹介です!

お楽しみに!

 

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*出典*

MAGIC STORY ゴルゴンとギルドパクト

 

Posted by オクハラデン