【Φ完全なる統一】第6回 エリシュ・ノーンの侵略【ストーリー】

2023年3月8日

はじめに

新ファイレクシア突入から、ナヒリは犠牲となり、ヴラスカは完成化し、ジェイスには油の侵食が始まっています。

別の階層ではルーカが完成化し、ニッサはそれに追われることとなりました。

多大なる犠牲と絶望の上に、残った英雄たちは進みます。

『次元壊し』を破壊し、これ以上のファイレクシアの侵略を食い止めるために…。
 

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【Φ完全なる統一】背景ストーリーまとめ





目次

プレインズウォーカーが辿り着いたもの

幻影によって、常に傷ついた姿を隠してきたジェイスの、満身創痍の姿。

それは最悪の兆候だと、ケイヤは感じたのでした。

ジェイス、魁渡、そしてケイヤの3人はやがて世界樹の根幹へと到着し。

消耗したテレパスは、その場所に座したのです。

「場所を空けてあげて。細心の注意が必要だから」

「ここまで近くにいて、俺たちも大丈夫なんですか?」

魁渡は尋ねた。

「ウルザは最初の酒杯を膝の上で爆発させたけれど生きていたわ。私たちも大丈夫でしょう。たぶん」

きっとこの次元は生き延びるだろう。

 

と、その瞬間。

ケイヤはとある仮説に辿り着きます。

酒杯の力を解き放てば、その爆発は枝を通じて各次元へと及び、それらの世界を破壊するのではないのか。

酒杯は触れたものすべてを消し去る。

ウルザが使用した酒杯は時間すら砕いたのだから、と。

この主張に対し、多元宇宙が全て失われるよりは次元壊しを消し去るべきだと反駁するジェイス。

彼へと詰め寄りながら、仮説を確信へ変えていくケイヤと、その側に立つ魁渡。

ジェイスは酒杯を守るため幻影を展開し彼女らを幻惑しますが、霊体エネルギーを正確に感知したケイヤは、本物へと正確な攻撃を加えたのでした。

『俺たちは、酒杯を起動しなければならないんだ』

「いいえ、あなたは止めなければならない」とケイヤ。

「多元宇宙を存続させるのよ。まだファイレクシアが触れていない次元も、久遠の闇には繋がってる。この忌まわしい樹と同じく――この樹を今吹き飛ばしたら、すべてを消し去ってしまうかもしれないのよ」

「陛下も」

魁渡は怯えた声を発した。

「ここにいないプレインズウォーカーも」

ケイヤは続けた。

「私たち全員も。あなたにそんなことはさせたくない」

彼女は酒杯へと急ぎ、それを両手で掴んだ。

「終わったのよ、ジェイス。あなたは負けた。私たち全員が負けた」




英雄の介入

唐突に、ケイヤの手にした酒杯は姿を消します。

それはつまり、ジェイスの幻影。

振り返った彼女が見たのは、ワイヤーにまみれ、両目を強く輝かせたジェイスの姿だったのでした。

「そんな」

彼女は息をのんだ。

ジェイスは顔をしかめ、本物の酒杯を両手に持って彼女を見た。彼は小さな声で返答した。

「ああ。ケイヤ、ごめん。魁渡、ごめん。皆、ごめん」

そして乾いた、暗く白けた含み笑いを浮かべた。

「本当に済まない」

 

彼が額に傷をつけたことにより、酒杯へと滴る”血ではないもの”。

注がれていったのは、悲嘆、苦悶、後悔…そしてヴラスカへの愛。

すぐさまジェイスは最後の詠唱を行います。

酒杯の内に生まれた光は、ゆっくりと縁へと迫り。

ケイヤが絶望の叫びをあげ、魁渡が彼女と酒杯の間に割り込む中。

誰も、天井から飛び降りるエルズペスの姿に気づかなかったのでした。

ジェイスを見た瞬間、彼女はなにゆえか全てを理解します。

彼が何をしようとし、それが多元宇宙に何をもたらすのかを。

一切の迷いなく、エルズペスはやるべきことを悟った。

躊躇はなかった。素早い動きひとつで彼女はその剣をジェイスに突き立てると彼を押しのけ、剣とともに彼が倒れると同時に酒杯を両手に掴んだ。

光が酒杯の縁から溢れる直前、ケイヤと魁渡を一瞥するだけの間はあった。

鋭く砕ける音を辺りに響かせ、エルズペスは姿を消した。彼女とともに酒杯もまた。知るよしもない目的地へ、久遠の闇を越えたどこかへ。




完全なる統一

エルズペスが忽然と姿を消す中。

倒れたジェイスと、ケイヤ・魁渡のもとへタイヴァーが合流しました。

その時、樹の完全化が訪れます。

ありえない光を放って消えた世界樹は、ここではない次元へ侵略が開始されたことを物語っていたのでした。

「酒杯はなくなった」ケイヤがうめいた。

「エルズペスも、ジェイスも。多元宇宙は破滅する。失敗したのよ、タイヴァー。私たちは失敗したのよ」

「私は今日、希望を見た」

とタイヴァー。

「まだ失敗はしていない」

「ちょっと、お二方?」

魁渡が言い、剣を両手に掴んでタイヴァーの隣に踏み出した。ふたりは壁の開口部からケイヤを守る抵抗の防壁となった。かすかな足音がその先から聞こえてきた。

「どうやらお客さんみたいですよ」

反響する足音とともに現われた、白磁をまとう痩せた影。

エリシュ・ノーンは生き残ったプレインズウォーカーたちへと笑みを浮かべ。

その背後には、ファイレクシアの戦士たちが付き従っていたのでした。

列の中にタミヨウの姿をみとめ、魁渡は息を呑みます。

かつての柔和さを失い、別のものになり果てたその姿に。

「旅人たちよ、ファイレクシアへようこそ。疲れたであろう」

エリシュ・ノーンはジェイスの屍へと笑みを向け、するとそれは震えて立ち上がった。新たな主のもとへと歩きながら、その身体からエルズペスの剣が滑り落ちた。すぐさま魁渡がそれを掴み取り、もう片方の手に握りしめた。

エリシュ・ノーンは笑い声を発した。

「怯えずともよい、我らに敵意などない。我らが提示するのは調和と安らぎのみ。我らはひとつ。すべてはひとつに。何故拒むのだ?其方らの友は既にこちらにいるというのに」

 

ノーンの配下の列から、新たに姿を表す人影。

それは、死んだはずのナヒリが変質した姿。

さらに現われたのは、根の塊を下げ、余分な腕を生やしたニッサ。

最強と認識していたプレインズウォーカーの寝返りは、魁渡の恐怖を喚起し。

同属のエルフが穢される姿は、タイヴァーに深い屈辱感を与えたのでした。

「ナヒリは我らと戦った。だが平穏を、ひとつの存在としてのよりよい道を見出した」

エリシュ・ノーンが言った。

「彼女とニッサは生まれを同じくするが、決して友ではなかった。今やふたりは姉妹として結束し、あらゆる意味で同じ側にいる。彼女らはひとつ。其方らも、同じくひとつとなれる。屈するだけでよい。速やかに終わるであろう」

「断る」とタイヴァー。

「俺は遠慮します」と魁渡。

「地獄に落ちなさい」とケイヤ。

「何という敵愾心。調和のすべはないということか。我らの敵になるというのであれば、宜しい。其奴らは敵だ」

その言葉とともにエリシュ・ノーンは片手を掲げ、非の打ちどころのない鉤爪を鳴らした。侵略が始まった。




 

今回はここまで

ヒイイィィ!?!?(゚Д゚;)

ヒイイイィィィィィィィ!?!?(@Д@;)

いやホントどーすんのよこれ!?という絶望的幕切れ。

破滅の刻もなかなかに絶望的でしたが、今回はそれを何倍も上回る”お先真っ暗”感です。

あれ?MTGのストーリーってここでバッドエンドします?完結?(;´・ω・)

とはいえ、ノーンの背後から悪堕ちしたPWたちが次々と現われる展開は、演出としてめちゃカッコいいですね。

そして、ストーリーでしれっと言及された、タイヴァーの見出した「希望」とは…!?

私は割としっかり物語を読み込みましたが、ここは何か特定できませんでした。

枝で繋がった多元宇宙を舞台とするであろう、次回の物語が気になりすぎますね…!

 

というわけで、「ファイレクシア:完全なる統一」のメインストーリー紹介はここまで。

次回からはサイドストーリーをご紹介します。

お楽しみに!

 

 

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*出典*

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