【ドミナリア】第9回 テフェリーの灯【ストーリー】
はじめに
ついにチャンドラをも仲間に迎えたウェザーライト号。
図らずも合流することとなったカーン、そして彼女の指導を請け負ったヤヤとともに、彼らはアーボーグへと向かいます。
今回は、決戦に向けての物語…。
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ジェイスの警告
ヤヴィマヤ出発と同時に、ギデオンはチャンドラへと、これまでのいきさつを話します。
そしてその話の中で、ギデオンは未だに魂呑みと呼ばれる黒き剣を使うことに躊躇していることを明かしたのでした。
全ての役者は揃った。悪魔を斃す武器以外は…。
ギデオンがその胸中を明かそうとした瞬間。
青い閃光が弾け、新しい人物がそこに現われます。
ギデオンは驚きに固まった。「ジェイス!」
(中略)
「どうやって私達を見つけた? 動く乗り物の上にプレインズウォークできるなんて!」
「それと、何処にいたの?」 疑うように彼を見つめながら、リリアナが続けた。
「大丈夫なの?」
「そうよ、その服どうしたのよ?」 チャンドラは卓から飛び降りて尋ねた。
(中略)
他の皆はしばし黙っていた。テフェリーは眉を上げてジョイラと視線を交わした。そしてヤヤが尋ねた。
「何だね、この水泳着の本の虫は?」
挨拶もそこそこに、ジェイスは話し始めます。
彼が得た情報を元にした、「警告」を。
ボーラスが張り巡らせている「罠」のことを。
そして、話の終わり。ジェイスは"ギデオンとチャンドラへ向け"、言葉を投げました。
一緒に来てくれるか、と。
リリアナは眉をひそめた。
「私は?」
このような事態を想定しておくべきだったかもしれない。だがギデオンは自分達の状況が変わったとは感じていなかった。
「それが本当なら、これまで以上にリリアナの全力が必要だろう」
ジェイスは苛立ちとともにかぶりを振った。
「君はわかってない。リリアナは信用できない」
「信じてくれてるでしょ!」
リリアナは反論したが、怒りよりも当惑が勝っていた。
ジェイスはリリアナの言を完全に無視し、二人へと向き合ったのでした。
リリアナは信用できない。自分はギデオン達の力が必要なのだ、と。
しかし、ギデオンは築き上げた悪魔討伐の計画を台無しにしたくないとこれを断り、チャンドラも、せっかく手に入れた修練の機会を手放したくないとこれを退けます。
ため息をついたジェイスは、一言だけを残して去ったのでした。
「ギデオン、騙されるなよ、昔の俺みたいに」という言葉を残して。
口を開きづらい雰囲気の漂う船の中。チャンドラはとりあえず急ぐ必要があるのだ、と話を切り替えました。
そして、時間のない船内にて、リリアナは黒き剣を使うことに対し、期待の目をギデオンへと向けます。
その視線と言葉を受け、彼は決意とともに宣言したのでした。
「要塞でそれを見つけられたなら、私が使おう」
彼はリリアナの勝ち誇った反応を半ば予想した、もしくは自分が考えを変えた様子を少々満足して眺めるような。
だが彼女はただ疲れ切ったように言った。
「ありがと、その……」 そして気まずそうに顔をそむけた。「……色々と」
ギデオンは少しだけ微笑んだ。他の者には、それは嫌々ながらの礼に聞こえたかもしれない。だが、リリアナがその言葉を口にするのがいかに困難かを彼は知っていた。
「どういたしまして」
テフェリーの灯
乗艦したカーンに今回の目的を尋ねられたジョイラは、彼とテフェリーへ向けて話をします。
当面の目的は、陰謀団のベルゼンロックを斃すこと。
しかし、二人の次なる目的は、ニコル・ボーラス討滅に加担すべきだということ。
テフェリーはその言葉に眉をつりあげます。
「カーンにはできる。けれど忘れていないか、私はもうプレインズウォーカーではないんだ。ボーラスがここに来ない限りは……」
ジョイラが首飾りを手にしてそれを開くと、テフェリーは言葉を失った。そして目を見開いた。
「決して忘れたことはないわ」
厳めしく見つめながら、ジョイラは言った。テフェリーの目にパワーストーンが映し出されていた。彼は即座にそれが何なのかを悟った。まるで自分を呼んでいるかのようだった。
テフェリーのプレインズウォーカーの灯。
これを取り戻す気があるか、と聞くジョイラに、彼は顔をそむけます。
そして、考える時間がほしいと願い出たのでした。
その後、船には見たことのない青い外套のプレインズウォーカーが現われ。
テフェリーは、ギデオン達が決意を新たにする場面を見届けたのでした。
少しののち、彼は艦橋に一人座るジョイラのもとへと歩み寄ります。
テフェリーは一つの疑問を口にしました。
ギデオン達は、自分が昔ボーラスと争ったことがあることを知っているのか、と。
ジョイラは答えます。
それは全くの偶然で、自分の意図したものではない、と。
「ならば運命なのかもしれないな、円環を描いて戻ってきたということか」
(中略)
ザルファーを取り戻すとは自らに誓った、若かった自身の傲慢と思いこみの償いをすると。その目的へ向かう力をくれる灯を拒むことは、そもそもザルファーをこの世界から切り離したことと同じように傲慢だった。彼は溜息をつき、そして手を差し出した。
ジョイラはかすかに微笑んだ。
「未来がどうなるのかはわからないし、私達二人ともこの瞬間を後悔することになるかもしれない。けど、これはあなたが持つべき武器」
そして彼女は首飾りを外し、テフェリーの掌へと落とした。
「おかえりなさい」
ヤヤの教え
船の甲板にて。
チャンドラはヤヤの教えを受けながら、37個もの火球を制御していたのでした。
そのまま、彼女は師へと問います。
なぜ、考えを改めてくれたのか、と。
ヤヤは移動して彼女に向かい合った。
「あんたが一定の時間、何かに集中することができるって兆候を見たのは初めてだったからさ」
チャンドラは火球へと注意を保ち続け、一つとして揺れ動かなかった。彼女はにやりとした。
「あなたが何をしているのかはわかる。私を試したいんでしょ」
ヤヤは鼻を鳴らした。「そりゃあずっと試したかったよ、お嬢ちゃん」
ヤヤはそのまま、自分の思いを語ります。
もともとは、自由を求めていると思っていたこと。
しかし、長い年月をかけて、本当にやりたかったのは若い紅蓮術師を導くことだと気づいたこと。
そして、チャンドラに対する期待も。
まだチャンドラは自分自身を分かっていない。
けど、ムルタニの件を通して、それをつかみかけているんじゃないかと思ったこと。
これを受けて、チャンドラも、自身の胸中を話します。
友人だと思っていたニッサのこと。
そして、修道院長としてふるまっていたヤヤのこと。
どちらも、なんだか「見捨てられたような気がした」こと。
まるで言い訳のようだとチャンドラはわかっていた。言い訳は終わっているのだ。
「それで何もいいことにはならないのはわかってる。けどその件はもう終わり。ベルゼンロックと陰謀団をこの次元から燃やし尽くす覚悟はできてる。それが私の求めること」
「ふうむ」 ヤヤはそう言った。
(中略)
チャンドラは目を狭めた。アーボーグが近づいている。
ヤヤは彼女を見下ろして言った。
「それを証明する時が来たようだね、お嬢ちゃん」
今回はここまで
新しく愛する者ヴラスカを手に入れ、リリアナへの態度が断固となるものになったジェイス!!!
…と、いうことだと思っているんですがどうなんですかね。
ジェイスの感情を弄び、時に利用していたリリアナですが、ここにきての冷徹なる彼の態度に、戸惑いが隠せません。
いやはや、複雑なる恋模様…(!?)
あと、ヤヤがチャンドラのことを「お嬢ちゃん/kid」で呼ぶの、なんか熟練感あって、イイよね…!
さて、次回からドミナリア最終章!決戦が始まります!お楽しみに!
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