ニッサの灯の覚醒~故郷の邪悪な存在と対峙したエルフの少女【ストーリー】

2021年4月22日

目次

はじめに

ついに第四弾!

「ゲートウォッチの起源をたどる!マジック・オリジン」

今回は、ゲートウォッチきっての森ガール、ニッサ編です!

彼女のオリジン、公式の記事はその名を「故郷」。

他のプレインズウォーカーと違い、ゼンディカーで生まれ、ゼンディカーに生きているイメージの彼女ですが、灯の覚醒のきっかけは如何に…!?

それではいってみましょう!




ニッサの幻視

ニッサはこのころ、たびたび悪夢を見ていたのでした。

最初は、自分を包む心地よい光の流れ。

しかし、そのうち巨大な黒い縺れが光を押し返し、息詰まる暗闇に飲み込まれ…そこで目が覚める。

そして、ニッサが身を寄せる宿営地の長ヌーマは、これを危険視していたのでした。

その日も、ニッサの母メローと話すヌーマは、彼女のもたらす危険を憂いているのです。

「何も、誰も探してもいません」 これは彼女の母、メローの声だった。「破壊は手当たり次第にやって来るだけです」

「手当たり次第? あなたの民はゼンディカーを怒らせ、その代価を支払うこととなった。あなた方が最後の精霊信者であるのは、その理由からだ。」

ニッサは身震いをした。皮膚の湿気が冷たくなった。

「ゼンディカーは復讐に燃えてなどいません」 母は主張した。

「もしそう信じているとしたら、あなたは何もわかっていない。あなたとあなたの娘は私達皆を危険にさらしている。それを見過ごすことはできない」

(中略)

「理解してほしい、私は民を第一に考えねばならないと」 彼は続けた。「私の民を守らねばならない」

「あなたは……私達を追放すると?」 母の声色には疑念があった。

「メロー、私に選択肢はない。ゼンディカーの報復の危険を背負うことはできない。済まない、本当に」

 

彼女は一人、その宿営地を離れることを決めたのでした。

ニッサは、その一族のほぼ全てが滅びた精霊信者の生き残りです。

友人のマジクと遭遇した彼女は、旅立った森の中で光の波に飲まれ、そこでゼンディカーと完全につながったのでした。

そして知ります。

ゼンディカーは自分へ邪悪な意思を向けようとしていたのではないと。

ゼンディカーはただ、邪悪なる何者かに苦しめられていたのだと。

精霊信者の覚醒

彼女は自分もまた、新しくなったように感じた。ゼンディカーの魂と築いた絆は一歩ごとに強まり、そして彼女の魔術もだった。呪文を唱えると、単純な物ですら、それは豊かに弾け出た。夜に道を照らそうと光の魔法をかけたジャディの木の実は自ら星のように並び、動物の姿をとって彼らを導いた。怒れる一体の木々を忍び寄るものに遭遇した時、ニッサは拳を僅かに振るっただけでその進路を変え、彼らを不安から解放した。木々の葉を動かして雨をしのぎ、疲労した時には花から甘い蜜を引き出して元気づけた。

 

ゼンディカーとつながることにより、次元がニッサを導こうとしている場所もわかり始めます。

ニッサはマジクと、そしてゼンディカーとともに旅を続けるのでした。

若かりしニッサと、付き添いのマジク




巨悪との邂逅

ニッサは旅の中で、大地とつながり、エレメンタルを呼び出すことを覚えます。

マジク、そしてエレメンタルと旅をするニッサは、ついに暗黒の源へとたどりついたのでした。

エレメンタルは後ずさった。ニッサはその岩の角を回って覗きこみ、息をのんだ。

巨大な、菱形の石が宙に浮かんでいた。落ち着かないほどの静けさで、それぞれが不自然な完璧さで間隔をあけながら、強大な魔術の力でそこに定められたかのように浮いていた。太陽がその平坦な表面の奇妙な模様に反射していた。それらは環を描いてアクームの最高峰を囲んでいた。

「着いたの」 ニッサは言った。彼女はその峰を幻視でよく知っていた。そこに、あの黒い縺れがある。

石術師の誰かさんと、m21に再録されて大騒ぎの誰かさんが作ったアレ

マジクに送り出されたニッサは、暗黒に立ち向かうべく歩みを進めます。

それが一族にもたらしたことを、ゼンディカーへもたらしたことを憎みながら。

彼女はゼンディカーの力を最大まで引き出すと、そのすべてを暗黒に向けて解き放ったのでした。

魔法の最後の一滴が指先から吸い出されると、ニッサは長く息をついて山を見た。彼女は崩壊した山頂を見るものと思った。ひび割れからあの黒色が滲み出て、敵に対峙することを予想し、そのために身構えた。だがその必要はなかった。山は無傷のままで、暗黒は今もその内にうめいていた。まるで彼女の呪文が何も成さなかったかのように。

「どういうこと?」

暗黒の縺れはねじ曲がり、うなった。邪悪な笑い声、ニッサにはそう聞こえた。引っかくような笑い声が放たれ、狂気の衝撃波がニッサに襲いかかった。それは彼女の両目を貫き、魂を燃やした。それは彼女に全てを見せた。山の内にあるもの、それが求めるものを、それが為したことを。

 

ニッサが見たのは、化け物。

ニッサを襲ったのは、強大なる狂気の波。

その”巨悪”はニッサの抵抗をものともせず、彼女はその強大なる力の前に倒れたのでした。

「狂気」ということで、この方の反撃ですね

次の波には耐えられないと思ったその時、まるで卵が割れるように彼女の内の何かにひびが入った。そして温かく、濃く、何もかもを貪る力がひび割れから漏れ出した。それは並ぶもののない強さをもって彼女にうねった、その怪物の狂気よりも強く――内から彼女を引き裂いてしまえるような、ゼンディカーの構造を引き裂いてしまえるような。

そして終わった。これは彼女の終わりだった。彼女はあの暗黒を破壊できなかった。それは彼女を破壊した。

ニッサは身を任せた。

次に起こったことは、ニッサには理解できなかった。耐え難い苦痛が彼女を貫いて走り、ニッサは虚空へと投げ出された。

そしてニッサは、ローウィンで目覚めた




ローウィンの地

ニッサが目覚めたとき。

彼女は不安定なる移動の終焉に安堵するとともに、自分の失敗を悟り、自責の念にかられたのでした。

「そんな!」 ニッサは怒りに拳を地面に叩きつけた。その時、大地は応えた。その内の何かが跳び上がって彼女に対面し、引き込んだ。

彼女はこの新たな土地へと落ちてきた。ローウィン、それはそう名乗っていた。ゼンディカーと似ても似つかない世界。二つの世界の共通点は、二つが共に世界だということだけだった。その先は、二つの雪の結晶のように異なっていた。それ自身の姿と、法則と、住人があった。ゼンディカーは彼女を抱きしめたが、この世界は冷淡だった。ゼンディカーは陽気だったが、この世界は陰気だった。

だが両方とも、苦痛の中にあった。

どうして? ニッサは疑問に思った。どうしてそれほどの苦痛が、暗黒が、邪悪があるの?

 

「大オーロラ」という現象により、300年のサイクルで薄闇と陰鬱に包まれた「シャドウムーア」へと変貌を遂げるローウィン。

彼女はそのさなかに、この次元を訪れたのでした。

自分の目の前で大オーロラに捕らわれ、邪悪な姿へと変貌するエルフ。

ニッサはその暗黒から逃げながらも、ただ故郷のことを思っていたのでした。

「ゼンディカー、ゼンディカー、ゼンディカー」 彼女は繰り返し口にした。

彼女は内なる火花を感じた。アクームで、虚空に投げ出される前に感じたそれを。それは再び点火し内から彼女を引き裂いた。

『行けば後悔するぞ』 声が言った。『お前は失敗する、再び』

いいえ。道を見つけてみせる。絶対にそこにたどり着かなければならない。ニッサは痛みの中を駆けた。世界が口を開き、自分を外へ出そうとしている、その場所を感じながら。

『ここにいるが良い、小さな火花持ちよ。ここに留まり私に加わるのだ。私はお前を今よりも強くしよう、お前の大切なゼンディカーを救う力を与えよう』

虚空が開いた。それはすぐ目の前にあり、ニッサはその境目に立っていた。彼女は向こう側に渦巻く永遠を見た。踏み出すだけでよかった。だが躊躇した。

『留まれ、ニッサ。私とともに永遠に』

だがその言葉通りではない、そうでしょう? もし留まれば、決して離れることはできないだろう。強くはなるだろう、確かに。だが自分自身を失い、自分の大地との繋がりを失うだろう。留まれば、ゼンディカーを失うだろう。

はっと澄み渡った瞬間、ニッサの目の前に一本の糸が伸ばされた。それはよく知った光の輝く流れに似ていた、だがもっと太く眩しかった。それは頭をもたげるように、彼女に対面した。

それは彼女の道だった。生きている間ずっと探してきた、まさにそのものだった。ニッサは震える手を伸ばし、それを掴んだ。それは彼女を大きな力で引いた、ローウィンの現実へと切り込み、そして虚空の中へと。広大な空間へ転がり出ると、ニッサは自身の道が久遠を通して解かれているのを見た。それは多くの場所へと繋がっている。だが今は、故郷へと。




今回はここまで

そして物語はゼンディカーへ戻る…。

このあと、暗黒の正体たるエルドラージが解放され、ニッサの誓いへ続く…と。

灯の覚醒とともに次元渡りをし、自分の身に何が起こったかを理解できず、その次元でしばらく様子見をするのが常のプレインズウォーカーですが、ニッサはその中でも珍しく、すぐにプレインズウォークを行えるようになり、またそれを使って故郷へ戻った、というパターンです。

彼女がどれほどゼンディカーという地を大切にしていたかを物語るエピソードですね~。

 

というわけで次回でマジック・オリジン編最終回!

次の物語へ続く、「カラデシュ」を故郷に持つチャンドラのオリジンをご紹介します。

 

お楽しみに!
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*出典*

ニッサの「オリジン」:故郷

Posted by オクハラデン