【ドミナリア】第7回 ヤヤ・バラードを探して【ストーリー】
はじめに
様々な仲間を迎え入れ、陰謀団への強襲に向けて準備の整うジョイラとプレインズウォーカー一行。
とはいえ、ゲートウォッチと呼ばれるメンバーのうち、チャンドラは物語序盤にてどこかへと消えてしまいます。
「私は辞めないから!絶対辞めないから! けどギデオン、あんたの言う通り。私はここから学ばないといけない。アモンケットで失敗したのは、私が弱すぎたからなのよ!」
そう言って旅立った彼女は、一体どこへ向かったのか…?
今回は、ボーラスによる敗北によって、新たな決意を固めたチャンドラの物語をご紹介します。
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かつての研鑽の地へ
チャンドラがドミナリアから移動し辿り着いたのは、レガーサ次元のケラル砦。
まだ自分がゲートウォッチと呼ばれる組織の一員となる前、紅蓮術師として研鑽し、その場所の修道士長にもならんとしていた場所。
彼女は溜息をつき、顔をぬぐった。ギデオン、そうは見えなかったかもしれないけど、私にも考えがあるの。
自分は逃げたのではなかった。
ボーラスに傷をつけるには、さらなる集中力と正確性が必要。
そう痛感していたチャンドラは、ニッサが去った後、ドミナリアには強大な紅蓮術師の霊気の痕跡があったことに気づいていたのでした。
このケラル砦でも信奉される、ヤヤ・バラードの痕跡ではないか。
その思いに突き動かされたチャンドラは、あるものを求めて修道院の宝物庫へと向かったのです。
それは、かのヤヤ・バラードの使っていたゴーグル。
それを使えば、ヤヤが話を聞いてくれるかもしれない。
そんな期待を胸に、その宝物へと手を伸ばしたとき。
「チャンドラ、何をしているのですか?」
チャンドラはゴーグルを素早く掴み、それを胸に抱え込んで振り返った。ルチ修道院長が入口から彼女を見つめていた。
チャンドラは小さく悲鳴を上げた。「違うの!」
この行動を修道院の誰かに見られるとしても、ルチは間違いなく最悪だった。権力を持っているわけではないが、ここで誰よりも長い年月を過ごしてきた古老であり、誰もが尊敬する人物だった。
困惑するルチに、チャンドラは早口のまま弁解します。
自分が敗北を喫したこと。
奴を斃すためには、ヤヤの教えが必要なこと。
そして、そのヤヤはドミナリアにいるかもしれないこと。
しかし、この主張に、ルチ修道院長はため息で返答しました。
「チャンドラ、あなたにヤヤは必要ありません。お友達の力になることに集中すべきでしょう、彼らがそれほどの危険に陥っているのであれば」
「私に何が要るかなんてわからないくせに!」
チャンドラは叫んだ。ボーラスとの絶望的な戦い、リリアナの側にいるギデオン、ニッサの突然の離脱、あらゆる不満と怖れが一度に弾けた。
「一緒にいたわけでもないくせに! そんな教えなんて要らないし欲しくもないの!」
ルチは苛立ったように言った。「チャンドラ――」
だがチャンドラは既に背を向けており、かすかな炎に包まれた次の瞬間にはその次元から踏み出した。
ヤヤを探して
ドミナリアへと舞い戻ったチャンドラが降り立ったのは、ベナリアの西方、新アルガイヴの首都アーギヴィーア。
街の人々が不安そうな声とともに動き続けているのに疑問を抱いたチャンドラが聞けば、ドラゴンのプローシュとコボルトたちが現われたと告げられます。
それらに対抗すべく、兵団と”強い紅蓮術師”が集められていた、とも。
チャンドラはその集団へ追いつくため、行動を開始します。
しかし、数日ののち彼女が見たのは、時間の経過をあまり感じさせない死体が広がる光景。
その主犯たるコボルトたちを見つけたチャンドラは、その群れへと突撃します。
そして、森という地形上、全てを焼き払えないことに苛立ちを覚えつつ、それらを殲滅したのでした。
後程合流した兵団にて、ついにヤヤと対面できると胸を高鳴らせるチャンドラ。
しかし、国家執事ベイルドの感謝を受け取るその間に見まわした場所には、ヤヤらしき人物はいなかったのでした。
話す機会を得るや否や、チャンドラは聞き出します。
兵団と一緒に行動していた紅蓮術師は、ヤヤという名前ではなかったかと。
ベイルドが言った。
「ええ、その方に間違いありません。ですが峠に我々を置いて先に行かれました」
「置いていった?」
チャンドラはかろうじてその言葉に反応した。ここまでの道のりが正しかったこと、ヤヤがここにいたという事実には安堵した。だが今いないというのは酷く残念なことだった。お願い、もうドミナリアにいないってのだけはやめて。
ベイルドはチャンドラへ教えます。
ヤヤは友人に会うため、ヤヴィマヤの森へ向かったと。
彼の感謝の印に、補給物資の荷馬車を得たチャンドラは、すぐにそこへと向かったのでした。
「そういえば国家執事さん、ヤヤが探している友達って誰かわかる?」
「私も存じません」 ベイルドはかぶりを振った。
「長いこと姿を見せていなかった者だと仰っていましたがね」
目指していたものは
徒歩での旅は考える豊富な時間をくれた。ヤヤに会ったなら何て言おうか、そしてそれを何度も練習した。同時にギデオンや皆を心配する時間と、ニッサを惜しむ時間もくれた。だが自分は成すべきことをしていると確信していた。
ヤヴィマヤの森に辿り着いたチャンドラが見たのは、いくらかの自動人形と、巨大な動く樹木の戦い。
どちらに味方すべきか戸惑うチャンドラに、自動人形が助言します。
その樹木は、少しでも動くものを攻撃すると。
「あれは何なの?」 チャンドラは問い質した。
その自動人形は身構えた。「動く樹木だ。ムルタニが作り出して送り込んできた」
やがて、大型の自動人形と大木は組みあい、チャンドラは自動人形をフォローするように立ちまわります。
戦いの末、気づけばあたりは燃え落ちた枝と、生き残った自動人形と、チャンドラのみになっていたのでした。
さきほど助力をしてくれた自動人形が、チャンドラへと感謝を伝えます。
彼女は同時に、それが表情を持った、自動人形とは違う存在であると気づきました。
チャンドラは彼へと、この地に来たはずのヤヤのことを尋ねたのでした。
「私はカーン。そして長いこと会っていない友達というのは、私だよ」
「ヤヤはここに――」 チャンドラはそう言いかけて、だがその背後で声がした。
「さあて、奇抜な対面になったものだね」
すぐさまチャンドラは振り返った。そこに立っていたのはルチ修道院長で、赤いローブに革と金属の上着をまとっていた。ドミナリアで何を? それが困惑したチャンドラの最初の疑問だった。いや、ちょっと待って、どうやって、ドミナリアに? 修道院長はプレインズウォーカーじゃない。プレインズウォーカーだとは思っていなかった。
「ありえない――どうやって――?」
ルチは片眉を上げ、そしてチャンドラが腰に下げたヤヤのゴーグルを指差した。
「それは、私のなんだがね?」
今回はここまで
どーゆー伏線やねんw
…と、読んだときは思いましたよね。
ルチは戦乱のゼンディカーのストーリーから登場していた人物であり、ヤヤを信奉するケラル砦に古来からいた老女、なわけですが。
その方が、ヤヤご本人である!
これは戦乱のゼンディカー期から考えられてきた伏線だったのだろうか…?笑
とはいえ、チャンドラ自身が煙たがっていたルチがヤヤだと判明!
チャンドラはヤヤに教えを授けてもらえるのか!?
次回もお楽しみに!
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