【”安堵の再会”編】フレーバーテキストから読むストーリー

はじめに

MTGのカードにたまに付加されているお楽しみ要素「フレーバーテキスト」。

そしてこのフレーバーテキストには、ストーリーの一部を表現したものが存在するため、時にプレイヤーの人はこう思うのではないでしょうか。

「このテキストは、一体どういうストーリーから来ているのだろう…?」

このシリーズではそんなフレーバーテキストから、その背景ストーリーを解説します!

 

今回は、”カラデシュ”より「安堵の再会」をご紹介します。

 




目次

フレーバーテキスト

長い年月も世界の隔たりも、抱き合う二人にとって障害にはならなかった。

 




1分解説

チャンドラが11歳のころ。

父キランと母ピアに愛され育った彼女は、お使いの途中に突如紅蓮術師としての才能を開花させる。

その場に居合わせた遵法長バラルはこれを危険視し排除の対象とみなしたため、家族は秘密裏に街を出ていくこととなった。

しかし、バラルは家族がかくまわれた村にもやってくる。

彼は家々を焼き払うと、その罪をチャンドラにかぶせ、父キランを殺害した。

燃える母の持ち物から、両親をともに失ったと思ったチャンドラは、失意のままに処刑台へと進むが、執行のその瞬間にPWへと覚醒した。

それから十数年。

故郷カラデシュへと戻ってきたチャンドラが見たのは、死んだと思っていた母の姿だった。

 




詳しい解説

チャンドラの生まれたナラー家は、カラデシュ・ギラプール市の高名な発明一家でした。

父キラン・ナラーと母ピア・ナラーは、常に発明家たちの味方であり続け、領事府が流通を制限する霊気を裏ルートで仕入れては、発明家たちに流していたのです。

 

そんなチャンドラが11歳のころ。

彼女がパースリー夫人への「お使い」をしている最中に、領事府の兵士と遵法長バラルに目をつけられます。

そしてそれらから逃亡する際に、チャンドラの紅蓮術師としての力が開花し、彼女はその火でもって兵を退けたのでした。

 

両親はその才能を大いに褒め称えつつも、領事府の目から逃れるためギラプールを離れることを決意します。

事情を完全に把握していないチャンドラを連れつつ、とある村にかくまわれたナラー家。

しかし、そこにもバラルの魔の手は忍び寄ったのでした。

村を焼き払い、その罪をチャンドラへ着せようとするバラル。

キランは彼女を守るべく、遵法長へと投降します。

「彼女を傷つける代わりに、自分を連れて行け」と。

しかしバラルは無情にもその胸にダガーを突き立てると、キランを殺害してしまったのでした。

彼は少しの間チャンドラを見ていた、そして彼女は父の最後の感情をその瞳に見た――怖れではなく、娘へと良くしてやれなかったという失望を。

彼は背を曲げ、震え、そして地面に倒れた。

チャンドラはその時自分が発した声を聞かなかった。

世界は蒸気と煙、そして兵士達の制服に覆われた。

チャンドラの「オリジン」:炎の道理 より

 

バラルによって、犯罪者として処刑台送りになるチャンドラ。

炎の中に発見していた母のショールから、両親ともに喪ったと理解した彼女は、抵抗もなく地を見つめています。

しかし罪状が読み上げる中、彼女が群衆の中に見つけたパースリー夫人。

彼女はチャンドラへと、ナラー家の合図にて最大限の敬意を表したのです。

目が醒める思いとともに、内なる何かを覚醒させたチャンドラ。

バラルの刃が振り下ろされるその瞬間、彼女が弾けさせた炎は、処刑台上の全てを焼きつくしたのでした。

 

そうしてチャンドラが次元を離れてしばらくのち。

バラルによって投獄されたピアは、チャンドラは死んだと言われ続けていました。

やがてそこを脱出した彼女は、領事府の抵抗する勢力「改革派」のリーダーとして、発明家たちとともにあったのです。

 

ピアが奮闘すること十数年。

領事府勢力となっていたテゼレットに迫られたある日、彼女はその背後に「いるはずのない人」を見つけます。

それは、死んだと聞かされていた、今やキランほどの背丈となったチャンドラ。

記憶の大波がピアに襲いかかった。

……チャンドラ?

成長し、だが間違えようもなかった。

(中略)

「……お母さん?」

声、小さく消えそうな、そして全くもって彼女らしくない。目の端に熱がうねり、風にとらえられて零れた。

※カラデシュ「改革派の長」 より

 




小話1:この後のストーリーについて

やったぜ!安堵の再会!

…となりそうな所で切りましたが、ホントは上述のストーリーの後、カードのシーンまでは少しだけ追加のストーリーがあります。

詳しくは是非カラデシュの物語をご覧いただきたいのですが。

奇跡の再会ののち、母は領事府に囲まれた娘を守るため、いったん領事府に拘禁されます。

そして、チャンドラは連行された母を探し、ニッサとともにカラデシュを駆けまわります。

その後彼女らも拘禁され、アジャニに助けられ、「劇的な逆転」があって…

と色々経た結果、「安堵の再会」に行きつくわけですね。

んー!長いので詳細は該当記事を読んで!!笑

【カラデシュ】第2回 母との再会【ストーリー】

 




小話2:再録されたカードについて

カラデシュで登場したこのカードは、別イラストでイコリアでも再録されました。

“眷者”と言われる人間が、怪物と心を通わせ、一生の相棒として絆を結ぶ。

イコリア版「安堵の再会」は、そんな一人の眷者(と相棒)と思われるコンビの物語を描いたものです。

 

他のカードでも登場し、どうやらなかなかの苦難を経てきているらしい彼ら。

そのストーリーの最終章として描かれたであろう「安堵の再会」のフレーバーテキストは、これはこれで心に響く素敵なものになっています。

その兵士は自らの富も称号も、故郷をも捨てたが後悔は無かった。ともかく、友を救うことができたのだ。

ー安堵の再会

 




今回はここまで

今回は”カラデシュ”より「安堵の再会」についてご紹介しました。

背景ストーリーの気になるフレーバーテキストなどあれば、このコーナーにて紹介したいと思います。

リクエスト等ありましたらTwitterや記事のコメントお待ちしております!

では、次回もお楽しみに!

 

☆Twitterで更新情報発信中!フォローお願いします!

【関連記事】

【カラデシュ】背景ストーリー紹介まとめ

【"命運の核心"編】フレーバーテキストから読むストーリー