【イクサラン:失われし洞窟】第1回 クイントと次元の謎【ストーリー】
はじめに
イクサラン!続編!!
前回、不滅の太陽を巡ってヴラスカ率いる海賊団や、吸血鬼、マーフォークたちが争いを繰り広げたイクサランに再び来訪ですよ!
ファイレクシアの戦争を経て、いったんは平穏を取り戻していたこの次元にて、彼らが旅をするのは不可思議な次元の「深層」…。
“イクサラン:失われし洞窟”のストーリー紹介、始めていきましょう!
イクサランの深層にて
覚醒したばかりのロクソドンのプレインズウォーカーは、次元渡りのすえ蒸し暑い密林の只中へ降り立ったのでした。
と同時に、鋭い歯の並び立つ大口を目にします。
知能的な動きで、彼を取り囲む恐竜たち。
ロクソドンが防衛のために呪文を織り成そうとしたとき。
恐竜たちは彼の横を見つめ、そしてそこから現われた褐色肌の女性は、恐竜の名を呼びつつ彼を襲わぬよう命令したのでした。
「クイントリウス・カンドさんですか?」
「そうです」
クイントは返答し、蔓に覆われた廃墟に目をやった。
(中略)
「クイントと呼んでください。助けて頂いてありがとうございます。貴女は?」
「ウェイタといいます。戦場詩人様から伺っております」
「早くお会いしたいですよ」
クイントは耳をはためかせて顔をあおいだ。
ウェイタは彼を黄金の都へと案内します。
そして都の外れ近くの建物へと辿り着いたクイントが部屋へ入ると、二人の女性が話を中断したのでした。
迎えに行けなかったことを詫びつつ、来訪を喜ぶサヒーリ。
そして彼女から、パートナーであると紹介されたファートリ。
「お招きいただきありがとうございます。コインの帝国の形跡を貴女が見つけたとサヒーリさんから聞いた時は、是非この目で見なければと思いました」
「遠い昔に滅んだようですが、それが何なのかはわかったのですか?」
サヒーリは尋ね、クイントの腕に軽く触れた。
「まだです。様々な次元にその痕跡を追ってきましたが、未だに謎です。コインの帝国というのもその名前ですらなく、ただ私がそう呼んでいるだけの……」
彼は言葉を切り、銅板を見つめた。
「私の助けが必要というのはこれですか?」
「そうです」
ファートリは言い、サヒーリへと微笑みかけた。
「銅板がこれを開く鍵だと信じています」
彼女は巨大な扉を示した。
戦場詩人たるファートリが銅板の詩を解読し、クイントがその謎を解く。
そして彼らが全ての銅板を正しい位置へとはめ込んだ時。
輝きとともに、扉は重い音をたてて開いたのでした。
戦士たちとともに降っていった二人が見たのは、ピラミッドが入りそうな大きな部屋。
そして一列に並んだ死体と。
イクサラン最大の恐竜よりも大きい体躯の、鉤爪を持つ人型生物の死骸。
現実離れしたその光景に驚嘆しつつ一度地上へ戻ると、一行は19人もの戦士とともにその深層へ挑むことを決定します。
そして彼らは更に進んだその地下洞窟にて、ひとつの都市を目にしたのでした。
表される絵文字、不気味な菌類に飲み込まれた死体、そして…宝石に囲まれて落ちているポンチョ。
クイントが呪文を唱えると、青緑色の輝きが形を成し、ポンチョをまとう老人が姿を現したのです。
「誰だね?」その半透明の人物が尋ねた。
「クイントリウス・カンドといいます。貴方は?」
「私は……」
その霊は困惑したように言葉を切った。
「わからない」
「私のアブエロ……祖父に似ています」ウェイタが呟いた。
幽霊の顔に笑みが広がった。
「アブエロ! そうだ、その名前はわかる。誰かが私をそう呼んでいた」
(中略)
彼は口を開いては閉じ、そしてはっとするようにクイントに視線をやった。
「マイコイドの蔓延をオテクランに警告しなければいけない。手遅れだ。扉を閉じなければ!」
それ以上は何も言わず、幽霊は菌類が蔓延する都へと急いで向かっていった。
オテクラン? マイコイド? 扉? 意味のわかる単語はひとつだけ、そしてそれは目的地を示してくれる重要な単語だった。
川守りたちの扉
アブエロを追う一行を襲ったのは、キノコのようなタイタン。
幾人かの戦士がタイタンや身体を覆う菌類の犠牲となる中、彼らを救ったのは地下河川から現われたマーフォーク…川守りだったのでした。
かつて太陽帝国と対立関係にあった種族を信用するかに迷いつつ彼らの手を取った一行は、流された川の先で川守りたちの巨大都市に行きつきます。
そして彼らを迎えたニカンチルと名乗る川守りは説明しました。
ここにいる者たちは、『源泉』への最後の門が開くのを待っているのだ、と。
「私の母、大形成師パショーナが詳しく教えてくれる。深根の樹が倒れた後に母はこの地を発見したのだ」
ファートリは目を細め、遠くにあるその扉をよく見ようとした。
「もしかして、あれがマツァラントリ?」彼女は呟いた。
「詩によれば人類発祥の地にして神々の故郷、そこへ至る扉。本当に見つけたというの?」
かくして案内された部屋にて、ファートリは大形成師パショーナと邂逅します。
そして理由は分からないが、その協議に参加していた薄暮の軍団の吸血鬼とも。
パショーナはそれぞれに尋ねます。
「ここへ来た目的は何か」と。
知識を求めて来た、とクイント。
この扉が太陽帝国の歴史にとって重要な場所に通じているはずだ、とファートリ。
お前たちには関係ない、早く自分たちを解放しろ、と吸血鬼。
その言葉とともに一同に緊張が走る中、ファートリは提案します。
自分たちはその扉の開放に役立てるはずだ、と。
そして宣言通り、クイントが呼びだしたアブエロの助けとともに彼らは扉の謎を解き、その封印を解いたのでした。
ファートリを先頭に、一同はトンネルを歩き進めます。
そのトンネルはやがて井戸のような部分へと繋がり。
その端で、ファートリは息を吞んだのでした。
「ありえない」ファートリが言った。
「こんなことが」インティが付け加えた。
「信じられん」カパロクティも呟いた。
ウェイタは見える片目で、驚きの目でただ見つめていた。
雲が点在する円形の空、その前に彼らは立っていた。あの扉は地表に通じていたのだろうか? いや、自分たちは地の底深くにいた。そしてトンネルは下り坂になっていた。
空の端に幾つもの影が現れた。人が、井戸の端から顔を出し、ファートリたちを――見下ろしていた。
「アニム・パカル様に伝えろ」
その中の一人が言った。その声色は衝撃というより懸念を帯びていた。
「何者かが封を解いたと」
今回はここまで
今回のイクサランのストーリーは、「イクサラン次元の地下深くにはとてつもなく広い空間があるという話」とネタバレ(!?)がなされていましたが。
その”空間”に行きついたところで、今回は切り上げとさせていただきました。
しかもその空間にはどうやら定命の者がいるような…!?
しかしもってこのストーリー、固有名詞が多い!!
人物名も多いうえ、謎の専門用語も多いため、端折って紹介した上記ではまだ説明不足のことがあろうと思います。
もし興味がありましたら原文なども参考にしてくださいね!
ちなみに今回出てきたような単語含め、少し後の紹介にて今回のイクサランの背景設定も少し解説させていただきます。
さて、イクサラン次元のストーリーと言えば、各勢力目線で描かれる群像劇スタイルの物語です。
今回は太陽帝国(とそこに加わることになったクイントリウス)の物語でしたが。
彼らが最後に出会った吸血鬼たちも、ここに至るまでのストーリーがあります!
というわけで、次回はそちら視点のストーリーをば!
お楽しみに!
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