【破滅の刻】第1回 啓示の刻【ストーリー】

2021年4月22日

目次

はじめに

ボーラスによって堕落させられた次元、アモンケット。

ゲートウォッチはその次元を訪れ、その異常な実態を目にしたのでした。

人々はおろか、神さえもその思考を塗り替えられ、神の試練という名の同門での殺戮によって、死者を量産していたのです。

今回から始まる「破滅の刻」編は、それの答え合わせ編になります。

まずは、ボーラスの過去の悪行から…。




アモンケット、堕ちる

そのドラゴンが空に現われたその日。

アモンケットの八柱の神々は、自分たちの敗北などあろうはずがないと思っていたのでした。

しかし、その想像はすぐに覆されることになります。

そのドラゴンの一瞥で、オケチラ神の放った矢は砕け散った。

鉤爪の一裂きで、都市を守る魔法障壁は引き裂かれた。

軽く顎を突き出しただけで、ケフネト神の精神は真二つに散らされた。

そして、ドラゴンが両目を開いたその瞬間、自らの足で歩ける歳の者は全て空へと消えた。

 

アモンケットの神々がこれほどまでに戦慄したのは、次元生まれて初めての事でした。

起こったことが理解できず、膝をついて唖然とする中、ハゾレト神とオケチラ神は子どもたちを霊廟へとかくまい…。

しかしそれすらも、ドラゴンは破り侵入すると、鉤爪の一振りで神の精神を空白へと化したのでした。

 

全ての神々を手中に収めたあと、ボーラスは「作業」に入ったのです。

第一に、神々を堕とすこと。

三柱の神々を隠蔽する。いずれ、活躍の時が来るまで。

残り五柱の神々は、ドラゴンに関するもの以外の全てを消去する。

 

第二に、死者を連れ出すこと。

暗闇の墓所から、光ある地上へ。

 

第三に、風土と風習を利用すること。

試練を利用し、勇者を生み出す。そして、刻が来たらそれを知らせるべく副陽を動かす。

 

第四に、自身の証を作り出すこと。

都市に玉座を作り、都市の外には自身の角を模した碑を建てる。

ボーラスに残っていた、虚栄心の現われ。

 

そして最後に、帰還の約束を記すこと。

予言を記述し、人々の心にそれを植え付ける。

かくして、ボーラスはこの次元を捻じ曲げたのでした。

 

そして、その帰還の刻が、すぐそこに迫っていたのです。

「かくして副陽は王神の角の背後に座し、約束の刻が始まった。アモンケットの人々は一人残らず跪き、響くのは世界に来たるものへの怖れに人々が歯を鳴らす音、赤子と幼児の泣き声。そして全て予言により、神々は厳粛にその瞬間を記す」




啓示の刻

刻の始まり。

デジェルは全力で駆けていたのでした。

王神の帰還がなされるという、来世の門へと。

神々も、人々も大群衆となって押し寄せる中、王神の碑の間から副陽の光が差し…。

唐突に、その門は軋む音を立てて開き始めたのでした。

 

「王神が到来される!」 神の叫び。

高揚する人々。

今までその門を、生きたままくぐった人はいなかったのでした。

だれも見たことのない扉が開かれる。

楽園への道を約束された扉が。

門の先にあったのは果てのない、無の荒野だった。

デジェルは唖然と口を開いた。緑の草原を、自然の泉と恵みの海がある筈では? その場所には……何もなかった。砂漠。獣。ワームと鰐と造反者の忌まわしい死体。ヘクマの外側にあるものと同じ。終わりのない、果てのない、全てを取り巻く、容赦のない、無。

訳がわからなかった。

そこかしこで人々が混乱を弾けさせていた。ある者は歓声を上げた。ある者は称賛を叫んだ。他は疑問に顔を見合わせた。これは楽園なのだろうか?

その懸念は人から人へと伝わり、次第に声を大きくしていった。

(中略)

王神が姿を現す兆候は未だなかった。これも試練なのだろうか? 楽園が無いことには何らかの意味があるのだろうか?

(中略)

開いた門から巨大な、暗い、翼持つ影が岸辺をよぎり、声の不協和音は静まった。人々は身を屈め、そして見上げ、過ぎる影を一瞥しようとした。王神を呼ぶ興奮した叫びと称賛が響いた。

だがそれは王神ではないとデジェルには判った。

彼が飛跡を見つめる中、それは一本のオベリスクに毅然と着地し、眼下の人々を凝視した。背後でサムトがコペシュを抜く音が、そしてまるで罵りのように、呪いと怒りがその口から放たれるのが聞こえた。

「悪魔」

 

その悪魔は、オベリスクの頂上に降り立つと、狂気の笑みを浮かべたのでした。

そして、自身の右腕を突き出すと、鉤爪でそれを裂いたのです。

そしてその血一滴ごとに、注がれた川は変容していったのでした。

やがて生まれたのは、死のぬかるみ。

あらゆる川の生物が死に絶えた、狂気の赤。

底知れぬ深い声が、悪意の棘をまとって恐怖に満ちた声が大気を震わせた。反射的にデジェルは両耳を塞いだが、悪魔の声を遮ることはできなかった。

「リリアナ」 悪魔の声が響いた。

サムトは目を見開いた。

「何で悪魔があの人達の仲間を?」

そうデジェルに尋ねたが、彼も訳がわからず首を横に振るだけだった。

デジェルは顔を上げて悪魔を一瞥し、血が凍るのを感じた。悪魔は笑った、鋭い歯と底の無い瞳は力と絶望の生き写しだった。その声が血の川に再び響いた。

「そこにいるのであろう、リリアナ・ヴェスよ。隠れられはせぬ」




今回はここまで

あ、悪夢じゃあ~!

悪夢の始まりじゃあ~!!

…という感じの「破滅の刻」オープニング。

ラザケシュの圧倒的強者感と、挿絵のカッコよさ好き…。

破滅の刻のマスターピースは、どれも悪の強さを描き出すイラストになっていてよいですね。

 

次回は破滅の刻第一章!ラザケシュとの決戦!

お楽しみに!
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*出典*

MAGIC STORY 破滅の刻 啓示の刻

 

 

Posted by オクハラデン