【Φ完全なる統一】第2回 ジェイスの作戦【ストーリー】

2023年2月2日

はじめに

前回、新ファイレクシアへの突入を行った英雄たち。

そして彼らはその突入時、ファイレクシアの罠により勢力を分断されてしまったのでした。

魁渡、タイヴァーと行動を共にするナヒリでしたが、その身体はファイレクシアから受けた傷により、汚染されていくのがわかったのです。

…さて、ところ変わって今度は別の勢力に関するお話から。




目次

生き残った者たち

新ファイレクシアの土の上、エルズペスは独り目覚めます。

幸運にも、自分の意識のないうちに強襲されることはなかった。

そして彼女はケイヤと合流し、ミラディン人の宿営地へと向かいますが、道中それ以外の仲間とは合流できなかったのでした。

エルズペスの持つ希望は、溶鉱炉階層に降りさえすれば、ふたたび全員で集合できるだろうということ。

到着し気絶している間に、寝首をかかれないとも限らないと不安を漏らす彼女に、「自分はこのおちびさんに起こされた」とケイヤは肩の狸型ドローンを指さしたのでした。

そ、それはもしかしなくても…!?

かくして、下層へと降り立った二人。

彼女らを迎える群衆。

それらに、完成された気配は感じられないのでした。

「エルズペス!」

群衆から叫び声があがった。荒々しく轟く低い――予想外の、けれど知っている、山のような声。

(中略)

「コス!」彼女は歓喜の悲鳴をあげた。

「死んでしまったかと!」

その大柄のプレインズウォーカーは彼女の腰を抱き上げて振り回した。この燃え立つ風景の中、この厳しい時に、場違いなほど陽気に明るくふたりは笑いあった。

 

群衆の中に、ケイヤは見知った上裸のエルフを見つけます。

破顔するケイヤと、笑い声をあげるタイヴァー。

そしてその背後からはジェイスが姿を現したのでした。

彼は緊張感を持って伝えます。

突入時の障壁はジェイスの精神的繋がりをも壊し、今ここにあるのが攻撃戦力の全てだと。

ケイヤは眉をひそめた。

「ヴラスカは? ニッサは? 放浪者やルーカは?」

「俺たちが目覚めた時、ヴラスカはいなかった。ニッサはいたけれど、集合して出発の準備をしている時に何かの罠が彼女を追いやった――まるでプレインズウォークを強制されたみたいに」

「私たちも同じような目に遭った感じね」背後に魁渡を伴い、ナヒリが群衆から進み出た。

(中略)

「それ!」誰かが返答するよりも早く、魁渡が割って入った。

「俺のです! ポンポン!」

「これ?」

ケイヤは縄で腰に結びつけた刃に触れ、だが彼女の肩に乗っていた小さなロボットが魁渡に飛びついた。

 

そしてジェイスは告げます。

人数は減ったが、作戦は変わらない。

エリシュ・ノーンの創り出した世界樹ー『次元壊し』を破壊すべく、次元の深層へと向かう。

荒れ果て焼け焦げた周囲の風景を眺め、ケイヤは震えを押し殺した。

(中略)

ファイレクシアの大部分はまだ自分たちの下に広がっており、その恐怖はまだ現れておらず、その危険にもまだ直面していない。

「それでも酒杯はあるでしょう」

半ば宣言するように、半ば問いかけるように彼女は言った。

「カーンの作戦は実行できるわ」

「ああ」ジェイスは頷いた。

「まだ勝機はある」




英雄たちの作戦

ジェイスの作戦を受け、メリーラはこの次元の多層構造について説明します。

現在いるのが、溶鉱炉階層。ウラブラスクの意により安全が確保された場所。

その下は狩猟迷宮、その次が外科区画。

これらを通過し、その下のドロス窟へと辿り着けるトンネルをつなげられたのだと。

その下は美麗聖堂。エリシュ・ノーンの本拠地。

その下がマイコシンスの庭。ファイレクシアの汚染を大気中に送り込む菌を放つ場所。

そして最後が種子中枢。ジェイスたちが酒杯を設置すべき場所。

説明を終えたのち、メリーラはジェイスへと問います。

彼の作戦は、メリーラの故郷たるミラディンを失わずに実行できるものなのかと。

間もなくジェイスは苦々しく、それに答えたのでした。

酒杯の衝撃は世界樹のみを破壊するはずだが、確証はないと。

「つまり、私たちも道連れになる可能性はあるのですね」

「はいと言ったなら、手を貸しては頂けないと?」

「いいえと言われたなら、拒否したでしょう。(中略)ですが多元宇宙を守るためにはその危険を冒す価値があります、皆さんが嘘をついていない限りは」

 

行動を開始しようとするジェイスへ、コスは呪い金と呼ばれる金属を渡します。

上層の空僻地の金属を洗練したもので、油への多少の防御と、完成化したものへの威力の増加をもたらすのだと。

全員が作戦への準備を進める中。

ナヒリは内密な場へと身を滑らすと、首元のガーゼを剥がします。

そこには、奇妙に突き出た突起が姿を表していたのでした。

「そうだと思いました」

彼女の背後でメリーラが言った。

ナヒリははっと驚き、急ぎ振り返ってその細身のミラディン人に対峙した。

メリーラは動じなかった。

 

メリーラは彼女に伝えます。

ナヒリの侵食はまだ進んでいない。

数日間をかけて治療すれば治るものだ、と。

しかし、ナヒリはこれを固辞したのでした。

この戦いにおいて、自分なしに勝利はあり得ない。

皆、自分の力を必要としているのだと。

「私は多元宇宙にこれだけ尽くしてきたのよ、こんな終わり方でいいわけがない。間違ってるわ」

「それに、そんな終わり方にはなりません」

(中略)

ナヒリはゆっくりと頷いた。

「もし私が既に感染しているなら、ファイレクシアの輩どもに見せつけてやるわよ。倒される前に、ゼンディカーの娘がどれだけお前たちを壊してやれるかを」

「そうです」とメリーラ。

「まず戦い、その後で治療しましょう」

ナヒリは頷き、メリーラの隣へと歩み出た。ふたりは揃って皆のところへと戻った。

出発する時が来た。




今回はここまで

英雄、集う!

あとナヒリがカッケェ…!!(゚Д゚;)

一部のメンバーが欠けてしまいましたが、現地にいたコスも含めて戦力となるプレインズウォーカーたちが結集しました。

そして、ナヒリを除いてまだ彼らは完成化の気配を見せていません。

ここから本格的に作戦が始動し、彼らはより新ファイレクシアの深層へと迫っていくわけですが…。

こののち、英雄たちを待ち受けるものとは…。

次回もお楽しみに!

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*出典*

メインストーリー第2話:ぐらつく礎