【ストリクスヘイヴン】第4回 ストリクスヘイヴンを襲う危機【ストーリー】
はじめに
前回、アルケヴィオス次元へと現われたルーカと、魔法学院を渦巻く陰謀についてご紹介しました。
「敵襲じゃー!!」なストリクスヘイヴン。
王家の双子、そしてリリアナ先生の運命は…!?
続きをどうぞ~!
↓ストーリーのまとめはこちら↓
学院は混乱の渦中へ
寮の自室。ウィルが目覚めると、廊下が騒がしいことに気づきます。
方々で聞こえる「オリーク」という言葉を聞きながらも外に出た彼は、その恐怖と混沌の光景を目の当たりにしたのでした。
学院の周囲を取り囲む赤紫の生物。
応戦する上級生。そして、逃げる一年生。
ウィルは逃げる生徒に交じりつつも、即座に頭をよぎった思考は一つ。
「ローアンはどこだ?」
一方、ローアンはプリズマリの寮からキャンパスを駆けていたのでした。
必死の応戦をしながらも、寮の方へと追い詰められていく生徒たち。
ローアンは友人たちへと告げます。
ここで待つことに未来はない。突破して行くしかないと。
行く先は、大図書棟。
ローアンの思考は自然に片割れへと向かいます。
きっとウィルはそこにいる、と。
リリアナは、キアンやイブラハムとともに、生徒を守るために呪文を放っていたのでした。
おびえる生徒たちを背にしながら、彼女は化け物の影に、赤い服の人物を見ます。
リリアナは、その人物こそがこの生物たちを操る主犯だと推察したのでした。
キアン学部長は恐怖に顔を歪めた。
「この全てを? そのような魔法は見たこともありません」
「常に呪文というものはあるものです」 リリアナはそう呟いた。
同時に、彼女はあることに気づきます。
魔道士狩りたちは、破壊と混乱をもたらしているが、そこに狙いがないように見えること。
ならば、真の狙いは何か。
戦慄とともに悟るリリアナ。
これは攻撃ではない。陽動だと。
ストリクスヘイヴンの中心へ
名前を呼ぶ声に振り返ると、ローアンは氷の剣を持つ片割れを見つけたのでした。
二人は駆け寄り、固い抱擁を交わします。
しかし安心したのも束の間。
隠れたオリークの工作員からの攻撃が、二人へと放たれたのでした。
ローアンはかろうじてウィルと地面へと突き飛ばし、そして自分は固く目を瞑り…。
続いて目を開けたとき、工作員は無残な姿で横になっていたのです。
その隣に、オニキス教授のあの断固とした姿があった。その冷たい紫色の瞳が二人に向けられた。
「あなたたち。何故避難していないのです?」
「攻撃を受けて」 ほぼ声を揃えて二人は言った。
双子が経緯を説明すると、生徒たちをそこへ留めておくことこそ、敵の狙いだとリリアナは話します。
そして、それは大図書棟を包囲するように動いていることも。
嫌な予感に襲われながらも、ローアンは自分たちがやるべきことを問いました。
教授はその紫色の瞳を二人へと向けた。
「責任感のある教授であれば、あなたたち二人をどこか安全な場所へ連れて行くでしょうね。この何もかもから、しっかりと守るでしょうね」
「けれど、そのつもりはない、ですよね?」とローアン。
教授は口の端を歪めた――笑み、と言ってもいいかもしれない、ローアンはそう思った。
「ええ。私はそんな責任感のある人物ではなくてね。そして手助けが要るのよ」
リリアナが導いたのは、彼女が生徒だった時分に見つけたという、整備用の地下道。
オリークの首領エクスタスは、ここを使って手下を送り込んでいたのだろう、と伝えます。
そして、リリアナ曰く「野心のある誇大妄想狂」が、この学院へ最大の損害をもたらしたければどこへ向かうのか。
そこへ彼らを導いていったのでした。
ストリクスヘイヴンの中心、「交錯」へと。
エクスタスの計画
薄暗い地下の道。
オリークの工作員を排除しながら進む道中。
リリアナは、そして王家の双子ですら、強大な闇の魔法の気配を感じたのでした。
「遅かったわ」とリリアナ。「あの男はもう交錯に自分自身を繋げた」
「それでも行かないと」
(中略)
「待てよ!」 ウィルが叫び、リリアナが止める間もなく追いかけた。
馬鹿な子たち――自由にできる力を手にしたあの男に敵うはずがない、彼女はそう思った。
ローアンの戦いぶりを背後で見ながら、リリアナは評価を下します。
あと数年もすれば、真の脅威たりえる力。
しかし、まだまだ経験が足りないと。
そんな思考を巡らせていた時でした。
気配のない呪文の一撃に捕らえられたと感じたのは。
その先にいたのは、エクスタス。
戸惑いと同時に視界が暗転し、開けた彼女の目に飛び込んできたのは、学院から遠く離れた森の景色だったのでした。
強制転移魔法。
彼女は何とか立ち上がった。前方で、ストリクスヘイヴンへと導く松明の一本が見えた。キャンパスもその先の遠くのどこかにある、視界の彼方に。
二人とも、死なないようにしなさい。私も向かうから――長い徒歩の道になるけれど。
唐突に消えた教授に戸惑いながらも、ローアンはエクスタスへと向き直ります。
しかし、交錯へと自身を繋いだエクスタスは、これを身振り一つで打ち払いました。
歴然とした力の差。
ローアンは、彼の背後にある交錯へと目を向けます。
「あいつがやろうとしてることは、私たちにもできる――私たちも交錯から力を引き出せる。汚いけど同じ手を使うのよ!」
「危険すぎる! あの力は大きすぎる、君が死ぬぞ! ストリクスヘイヴンの全てを壊――」
エクスタスが立つ場所から、次の力の波が吠えてその言葉は遮られた。
部屋の反対側まで吹き飛ばされる二人。
その身を起こしたとき、二人は足元が血にまみれていることに気づきます。
双子の、どちらのものでもない血。
それは、部屋全体に広がっていることにも気づいたのでした。
交錯の下で、エクスタスが両腕を広げた。
「甦れ、偉大なるものよ! 来たれ、血の化身よ! この不公平な世界に怒りを解き放つのだ!」
(中略)
巨大で、わずかに人型をしたものが立ち上がった、四本の太い腕のそれぞれ先に、刃と棘だらけの物騒な武器を掴んでいた。戦のための生物、それは明白だった。唯一の目的は、何世紀にも渡って続いてきたものを壊すこと。
これこそがエクスタスの計画だったのだ。自分たちはこれを止めようとしていたのだ。そして今、自分たちの失敗は全員の死を意味するかもしれない。
今回はここまで
決意を新たにしたリリアナ教授が、ちゃんと生徒を「導く側」になってるの、イイですよねぇ…。
言葉の端々に含蓄を感じます。
ま、今回は双子に活躍の場を譲らなくてはいけなかったらしい彼女は、強制転移で学校外へ追放されてしまいましたが…。
さしものプレインズウォーカー様も、飛ばされたら徒歩で向かうのね…笑
というわけで、次回早くも最終回!
強大なる力を前にしたウィルとローアンは、いつものような単純なハッピーエンドでは終わらない…!?
次回もお楽しみに!
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