【イクサラン】第12回 イクサランの物語-後日談【ストーリー】
はじめに
前回のお話で、それぞれの冒険を終えたイクサランの物語。
しかし!公式のストーリーでは、この後日談も語られています。
ファートリは、垣間見た”あの次元”へ渡り、現地のプレインズウォーカーと交わる物語が!
アングラスは数十年ぶりに娘たちを再開する物語が!
そして、皇帝に仕切られた太陽帝国のその後の物語が!
イクサラン最後のストーリー紹介は、この後日談で締めたいと思います。
ファートリの後日談
ファートリは、自分の表情が緩むのを抑えられなかったのでした。
見たこともない街、見たこともない機械、見たこともない種族に建物。
空には不思議なエネルギーが流れ、何より発明品に溢れた景色たち。
イクサランにない科学と人々の営みの融合に、歓喜と混乱がないまぜになっていると、ファートリは誰かに袖をひかれるのを感じます。
懸念するような表情を浮かべ、その女性はファートリへ近寄ると尋ねた。
「このあたりの人ですか?」
ファートリはかぶりを振った。「いいえ! 私……別の街から来ました」
その女性の両目が揺れ動いた。彼女は更に近寄った。「別の次元の街から?」
「プレインズウォーカーなんですか!」
ファートリは笑みを浮かべ、興奮に問いかけた。
「ここじゃ駄目!」
その女性は警戒する身振りでファートリを黙らせ、舞台の前から彼女を連れ出した。
肌の浅黒いその女性は、"サヒーリ"と名乗ったのでした。
そして、ここはカラデシュという次元、その街ギラプールであると。
出自を尋ねられたファートリは、自分の故郷を詩に乗せて語ります。
サヒーリと名乗る女性は、その次元、中でも恐竜がいるという事実に目を輝かせていたのでした。
サヒーリは歯を見せて笑い、ファートリの手を引いて立たせた。
「工房へ来て、恐竜について教えて下さい! 新作の計画を立てていた所なんです!」
ファートリはそれに身を任せ、微笑んで返答した。「私でいいんですか?」
「もちろんです! よく知ってる人じゃなきゃ。私、恐竜のそれこそ全てを把握しないと!」
ファートリの心が躍った。
自分は必要とされる場所にやって来たのだ。
プレインズウォーカー二人は賑やかに、サヒーリの工房へ向かった。
そしてファートリは故郷について語った。
アングラスの後日談
十数年ぶりに訪れた故郷。
それは、彼の覚えていた光景そのままだったのでした。
自分の鋳造所、自分の小屋。
アングラスは一歩ずつ家へと近づき、その戸をくぐり。
作業をしていた二人のミノタウルスが、自分と目を合わせたのでした。
二人の目が大きく見開かれた。右の一人が衝撃に鼻を鳴らした。もう一人は驚きに耳を高く立てた。
右の一人が空気の匂いをかぎ、こみ上げる感情に震えた。
「お父さん?」
アングラスの涙がその皮膚に触れ、蒸気が穏やかな音を立てた。彼は微笑んだ。
「ルミ、ジャミラ。今帰ったぞ」
ジェイスの後日談
ヴラスカと来る日に向けた約束を交わし、
記憶を預けたヴラスカが不滅の太陽を送り届けてプレインズウォークし、
そして、その上で争っていた者たちが部屋に落ちてくるその時まで。
ジェイスは完璧に姿を隠し続けていたのでした。
記憶を預ける前のヴラスカとの約束。
ジェイスは落ちてきた海賊の船員たちに、船長が遠くへ行ったこと、自分もすぐに離れること、そしてなにより、その船員たちがどれほどまでに大切だったかを、テレパスで伝えたのでした。
『ジェイス、お前はずっと仲間だよ』
低く優しい声がジェイスの心に響いた。
『お前は素晴らしい海賊だった』
『海賊じゃなくなるなんて誰が言いました?』 ジェイスはにやりとしながら考えた。
『達者にくたばれ、マルコム』
『お前もな、ジェイス』
ジェイスは接続を切り、マルコムが出発するのを感じた。その心は次第に遠くへと離れていった。
ジェイスは旅立つ前、部屋を見渡しながら感慨にふけります。
ラヴニカのために、自分の記憶を捧げた船長のこと。
コーヒーと本の約束。
いつか彼女とともに、ここに戻ってこよう。
「喧嘩腰」号の仲間に再会しよう。
しかし、それはまた後の話。
今は目の前のことを。
ジェイスはドミナリアを目標に、プレインズウォークを開始します。
なぜか高速で動いているギデオンの光を目指して。
やがてたどり着いたその場所は、機械の動作音に溢れる機体の中。
彼の知らない顔が立ち並ぶ中、聞き覚えのある足音が、彼の耳を捉えたのでした。
近くの扉からギデオンが滑り込み、驚きに目を見開いて立ちすくんだ。
その表情に感激が溢れた。
自分が生きていたことを知って、涙が出るほどに喜んでくれる人物。これこそが友人だった。
ジェイスは意気揚々と笑顔を見せた。「ギデオン! 俺は死んでなんかいないぞ!」
ギデオンはジェイスを抱擁しようと急ぎ、だがその部屋にいた一人が不意に行く手を遮った。七十歳程の女性。厚い赤色のローブをまとい、銀色の髪は緩くまとめられ、縮れた数本の編み髪が遊んでいた。その女性はジェイスを上から下まで、どこか楽しそうな笑みを口の端に浮かべて見た。そして肩越しにギデオンを振り返り、眉をつり上げた。
「何だね、この本の虫は?」
太陽帝国の後日談
遠征隊を運ぶ巨大恐竜の背に乗り、盃を片手にしたアパゼク皇帝は微笑んでいました。
ファートリが提言した平和協定。
それを蹴った皇帝は、オラーズカの都を征服する道中にいたのです。
川守りは抵抗すらせず、都は無人のままでした。
かつて黄金の都と呼ばれた地に降り立ち、皇帝は満足げに臣民を見下ろします。
「再び、オラーズカは我らがものとなった。太陽の三相は眩しく輝き、太陽帝国の征服の新時代が始まる。イクサランは我らのもの……やがてはトレゾンも」
今回はここまで
オイオイ…なんか不穏だなぁオイ。
…となるエンディング。
ちなみに、トレゾンは吸血鬼の跋扈する大陸のことですね。
ファートリの提案空しく、太陽帝国は各勢力の征服にかかるわけですが…この後日談はいつか語られるのですかね?
とはいえ、それ以外のエンディングは「よかったねぇ…」となるものばかりでほっこりですね!
ファートリとサヒーリの、次元をまたいだ意気投合!
アングラスは粗野な言動とは打って変わって、数十年ぶりの娘との再開に涙をこぼします!
そして、ジェイスはついにドミナリアで旧友と合流し…次なる物語へ!
さて、イクサランの公式の物語はここまでですが。
個人的に非常に気になるのは、記憶を預けたヴラスカのその後ですよね。
こちらは日本語のストーリーにはありませんが、英語で後日談が明かされています。
次回はこちらから抜粋してご紹介いたしますね!
初の英語ストーリの紹介記事…!!お楽しみに!
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*出典*
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