【ドミナリア】第5回 集まりゆく仲間たち【ストーリー】
はじめに
ウェザーライト号を引き揚げ、その仲間を探しに行ったジョイラ。
ウェザーライトを修復し守るために、船の近くに留まったティアナ。
それぞれに仲間を見つけ、やがて一堂に会する乗組員たち。
シャナとラフを連れたジョイラは、ティアナたちの元へ向かいつつ、とある人物の乗船を待っていたのでした。
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再会できた友、できなかった友
ジョイラがボガーダンの入り江に辿り着いた時。
彼女を出迎えたのは、見張りを頼んでいたティアナと、以前まではいなかったはずの吸血鬼でした。
一見、危険な存在に見える男。
しかし、その場の誰もに警戒されてない男。
「何か報告があるようですが?」
ティアナは翼を畳み、頭をかいた。「そうなんです。こちらはアルヴァード」
アルヴァードは両膝をつき、ジョイラへと剣の柄を掲げた。
「ジョイラ船長、御側にて仕えることを誓います」その様子に嘘偽りはないように思えた。
「わかりました」 ジョイラは眉をひそめ、ティアナを見た。
「長い話になるんです」
「今はその時間は無さそう」 ジョイラは上着から時計を取り出した。
「そろそろ――」
突風一つと金色の光とともに、黄金のたてがみのアジャニが岸に姿を現した。彼はウェザーライト号を満足した表情で見上げた。
「――友達が到着するので」 ジョイラは微笑んだ。
ジョイラがアジャニと出会ったのはたった一度だけ。
彼は自分がプレインズウォーカーであると明かし、仲間のために力を貸してほしいと願い出ていたのでした。
同時に、アジャニはジョイラの旧友カーンについても話をします。
その銀のゴーレムは、ファイレクシアで救出され、ドミナリアに戻ってきていること。
そして、そのカーンを救うために、ヴェンセールは灯を与え、命を落としたこと。
カーンの生存を知っての安堵から一転。
自分にとって友人、いや友人以上の気持ちを持ってくれていた男の訃報は、ジョイラの心を砕くほどの衝撃となったのでした。
「ではファイレクシアは?」
「一つの次元が完全に陥落しました。ですが彼らはそこから出ることは叶いません。他の次元に何ら危険はないと思われます」
アジャニは安心させるような確信で告げた。
(中略)
彼女は操作盤に手を走らせ、しっかりと立ち、告げた。
「知らせて頂いてありがとうございます。容易い役割ではなかったでしょう。それではご友人との合流に向かいましょう。宜しいですか?」
アジャニは頷いた。その穏やかな表情は、ジョイラの笑顔の空虚さと、一人にして欲しいという願いをはっきりと認識していた。
アジャニの叱責
待ち合わせ場所へと飛翔し、ギデオンとリリアナを船へと迎えた一同。
ジョイラによる船員の紹介もそこそこに、アジャニはギデオンへと尋ねます。
他の三人はどうしたのか、と。
ギデオンは、気まずいながらも、アモンケットで起こったことの説明をしたのでした。
アジャニは悲嘆とともに言った。
「それを怖れていた。今の私達はボーラスを倒す方法など知るよしもない。君達はアモンケットへ行くべきではなかった」
(中略)
アジャニは悲しみの視線をリリアナへと向けた。
「大半は屍術師の君が引き起こしたことだな。君と契約相手の悪魔が――」
「リリアナ、止めてくれ」 ギデオンが割って入った。
「アジャニさん、決定したのは私です。そして結果も受け入れています」
アジャニはギデオンへ向き直った。その視線には憤激があり、それでも声色は苛立ちながらも穏やかさを保っていった。
「結果を受け入れることは大切だが、アモンケットは既に傷を負い、それを直す術はない」
「その点については、返す言葉もありません」 ギデオンはそう言った。
あくまで落ち着きを払い、そして的確な指摘を行ってくるアジャニの姿に、リリアナの怒りは頂点に達します。
彼女は感情を爆発させつつ、アモンケットでのラザケシュの殺害、そしてここドミナリアでのベルゼンロックの殺害は必要なことだと主張しました。
ギデオンも、冷静さを保とうと努めつつ、これに同意します。
やがて、アジャニは口を開いた。
「わかった。だがここでの力にはなれない。私はボーラスとの戦いに加わってくれるプレインズウォーカーをもっと見つけねばならない」
ギデオンは躊躇しなかった。「なるべく急いで加わります」
アジャニは苦々しく、だが丁寧に頷いた。「気をつけてくれ」
そして背を向けると、取り囲むように黄金の影が形を成した。まるで背の高い草原を歩いていくかのように。鼓動一つの後に、アジャニはこの次元を離れ、姿を消した。
様々な感情が渦巻く船の中、ジョイラはプレインズウォーカーの二人へと歓待の意を示しました。
自分たちは、陰謀団、そしてベルゼンロックを倒さんとする同志であると。
ジョイラのその言葉に、シャナも、ラフも同意をしたのです。
理由は違えども、目指すものは一つ。
敵となる陰謀団の情報を得るため、一行は飛翔戦を走らせ、次なる目的地へと向かったのでした。
ジョイラにとってのかつての学舎、トレイリアのアカデミーへと。
悪魔を滅ぼす鍵
アカデミーにて、今やその学長となった、ジョイラのかつての戦友ジョダーと再会します。
そして彼とともに、アカデミーへと侵入してきた陰謀団の工作員を退けると、その記憶から必要な情報を抜き取ったのでした。
船に戻り、それらの情報を精査するギデオン。
ふと、一つの情報が彼の目に止まります。
黒き剣。
ギデオンが尋ねると、ジョイラは説明を始めました。
ピルーという古龍を斃したという、高名な武器であること。
死魔術から作られた『魂呑み』であり、相手の生命力を奪うものだということ。
それがあれば、ベルゼンロックを仕留めることも可能だということ。
「でもそれは要塞に収められています」 シャナが指摘した。
「使おうと使うまいと、中に入らなくてはいけません」
ギデオンを睨みつけたまま、リリアナはワインを口にした。
「陰謀団員や司祭全員を石にでもできたなら、簡単なのだけど。うるさい人達を石にしてやりたいって今朝考えていたばかり」
ラフは彼女へと歯を見せて笑った。
「つまり、時間を止めるみたいにですか? できればの話ですが」
ジョイラは微笑んだ、まるで秘密をこれから明かそうというかのように。
「確かに私達には無理です。でも私、ちょうどそれができる時間の魔道士を知っています」
今回はここまで
上の説明では省いてしまいましたが。
アカデミーから船へ戻るとき、なかなかに衝撃の一文がお目見えします。
「どうでした?」 ティアナが声をかけた。
「工作員を捕まえたよ」 シャナが応えた。
「それに必要な情報も手に入れた」
「それは良かったです。アルヴァードが夕食を作っています」 ティアナが返答した。
リリアナは唇を歪め、ギデオンに向けて言った。
「吸血鬼が夕食を作る、ですって」
吸血鬼が!!
夕食を!!
作る!!
いやまぁ元ベナリア騎士なので…野営もするでしょうしご飯くらい作れるでしょうが…。
この見た目で、吸血鬼のデメリットを克服し、前回のごとく紳士的な騎士道精神を持ち、しかも夕飯を作る…!!
ちっとばかしイケメンすぎやァしませんか…アルヴァードさんよ…。
というわけで!
ジョイラのセリフで、もう完全に次に誰が出るかわかってしまったこの展開!
ストーリーの超重要人物でありながら、カードゲームでは非常に悪名高い(?)、アイツがストーリーに来てくれますよ!!
次回もお楽しみに!
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