【ネオ神河】第5回 完成された英雄【ストーリー】
はじめに
前回、ジン=ギタクシアスとテゼレットによって捕縛された魁渡とタミヨウ。
しかしその危機を、放浪皇の一閃が救います。
迫りくるハッピーエンドの予感!
…をぶち壊す衝撃のラストとは!?
続きをどぞ!
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反乱軍の蜂起
皇によって救出された魁渡とタミヨウ。
彼女の一閃で半ば切断されたジン=ギタクシアスは地に伏し。
皇は止まることなく、舞うように敵を仕留め続け、魁渡もそれに続きます。
そして、タミヨウの唱えた呪文はテゼレットを拘禁したのでした。
「俺たち、いいチームになれますね」
彼は刀の柄をひねり、ぎざぎざの刃を今一度元の滑らかな形状に戻した。
「二戦目に行ける奴が誰も残ってないのが残念です」
「そんなに戦い好きになっていたなんで知りませんでしたよ」
放浪者は帽子を正した。
「私が覚えている男の子は、むしろ皇宮の厨房でつまみ食いをする方をずっと好んでいましたが」
混乱を収めしばしの安堵ののち、3人は今後のことを話し合います。
まずはテゼレットを永岩城へと連れ出し、尋問すべきだという結論。
しかし拘禁されていたはずのテゼレットは、その目にかてつない活力を宿し。
そしてその視線は、皇の手の甲にある現実チップへと移ったのでした。
皇が声を発する間もなく、テゼレットによって支配される現実チップ。
魁渡の一撃によりテゼレットは意識を失いますが、テゼレットの操作により皇の灯は再び不安定に揺れ始めたのです。
事態を収めるため、タミヨウによって外される現実チップ。
皇は不安定の最中に繋がった香醍の言葉を思い出していたのでした。
『永岩城が攻撃されている』 香醍が呼びかけた。
『理想那(りそな)が軍勢を連れてきた。プレインズウォークしてはならない――皇宮は其方を必要としている』
急ぎ永岩城へと戻らなくてはいけない三人。
タミヨウは覚悟を持って現実チップを自身の手へと埋め込むと、増幅させた念動力でメカを飛ばし、三人を輸送します。
眼下の地表で、すでに皇宮の門を破る蜂起軍。
4人を乗せたメカは素早く飛行しますが。
意識を取り戻したテゼレットが、他のものが気付くより早くそのメカへと手を伸ばしたのでした。
メカは騒音を発して左右に揺れ、放浪者は手が滑るのを感じた。
魁渡は咄嗟に手を伸ばし、その指が必死に彼女の腕を掴んだ。
「行かせません!」
だが放浪者は桃色に輝くテゼレットの両目を凝視していた。彼はひとつ嘲るとメカから飛び降り、それと同時にタミヨウが張りつめた悲鳴を上げた。
制御を失ったメカは急落下し。
乗っていた船員たちは飛び降りざるをえず。
魁渡が地面へと着地した瞬間、メカは皇宮の壁で爆破したのでした。
戦いの結末
しばらくの時間を経て立ち上がる魁渡と、合流するタミヨウ。
そしてその場から姿を消していた皇とテゼレットでしたが。
蜂起軍との戦いの中に目を凝らした魁渡は、遠くに皇と、それを追うテゼレットの姿を認めたのでした。
浮遊したタミヨウに連れられた魁渡は、テゼレットへと攻撃を加えます。
憤怒のままに振り返ったテゼレット。
その目に映るタミヨウ。
そして、彼女の手に埋め込まれた現実チップ。
巻物を読む隙はタミヨウに与えられなかった。テゼレットは壁の先の石庭から送風機の羽根を呼び寄せ、それを彼女めがけて放った。それが彼女の直前まで迫るとテゼレットは拳を握り締め、すると装置は爆発した。
砂がタミヨウの目を直撃した。彼女はひるみ、巻物を落とした。
技術の込められた武器を使えない魁渡は念動力でテゼレットへと対抗し。
庭園からの英子の剣は、テゼレットの太ももを貫いたのでした。
麻痺呪文を掲げつつ降り立つタミヨウ。
彼女は魁渡へと、テゼレットの永岩城への拘留の準備を依頼します。
背を向けて近くの垣を降りようとした所で、テゼレットの冷たい声が響いた。燃え殻が最後に弾けるように。
「私を永岩城に閉じ込めておく必要はない」
そして物憂げに続けた。
「ファイレクシアが求めるものは手に入れた」
顔をしかめて魁渡は振り返り、愕然とした。タミヨウの手から光が閃き、現実チップが起動した。
タミヨウはテゼレットの掌握を、そして物語の魔法が中断されるのを予想していなかった。彼女は血の気を失ってふらつき、胸元を掴んだ。
魁渡が事態を把握するよりも早く動いたテゼレット。
彼が空を裂くとそこにはポータルが広がり。
そこへとタミヨウを引きずり込んだテゼレットは、魁渡が踏み込む間もなくその姿を消したのでした。
皇は放浪者なりて
皇は蜂起軍を鎮圧し、その首領である理想那を突き出したことで、戦いを終息させます。
その様子を見ていた魁渡は、皇と喜びを分かち合うべく振り向きますが。
彼女はその顔に苦痛を滲ませていたのでした。
現実チップという助力を失い、彼女の灯は再びその安定を失っていたのです。
魁渡は額をこすり、歯を食いしばった。これが二度目、また彼女を守れなかったのだ。
「申し訳ありません」
皇は顔を上げた。その表情は穏やかだった。
「魁渡さんの過ちではありません。決して。そして何も謝ることはありません。貴方は私の、最も誠実な友です――貴方がいてくれて、本当に感謝しています」
香醍と口に出さない会話を終えた皇は、魁渡へ軽脚を呼んでくるよう言います。
到着した軽脚に対し、皇は香醍とともに告げました。
神河は皇を必要としていること。
そして自分が不在の間、軽脚にこの神河を統べてほしいということを。
最大級の敬意とともにその命を受けた軽脚。
守護精霊の加護を受けた彼女の七本の尾は、今や八本へと変わっていたのです。
皇が彼を見た。その目に喜びはなく、それでも彼女は微笑んでみせた。どんな小さな慰めであろうと、それが彼に差し出せるものならば。
「魁渡さん――」
続く言葉は魁渡に届かなかった。灯が彼女をさらい、皇は今一度神河から姿を消した。
心臓が砕け散ってしまったように魁渡は感じた。英子は隣で唖然とし、口を手で覆った。別れの辛さに、香醍も吠えた。
そして英雄は完成する
「目覚メヨ、最初ノファイレクシアン・プレインズウォーカー。ソシテオ前ガ最後トハナラヌデアロウ」
タミヨウが目を醒ましたとき。
そこは研究室。
彼女にとって「普段通り」の。
巻物を取り出すと、書かれた言葉は金属的な光沢ともに、全く別の言語へと変化します。
そしてタミヨウは、それらの言語を問題なく読めることに気づいたのでした。
ファイレクシアが彼女の新たな家だった。今や彼女はその一部だった――心も、身体も、魂も。
(中略)
この怪物には感謝の念しかなかった。タミヨウは常に家族を愛し、彼らを守るためなら何も厭わなかった。今や彼女は、その尽きることのない忠節でファイレクシアを守るのだ。
計画を妨げていた者として、唾棄するような視線でタミヨウを睨むテゼレット。
上々の出来に満足するジン=ギタクシアス。
そして怪物は告げます。
これで終わりではない。
まだやることが残っていると。
タミヨウは知識を求めて多元宇宙を旅してきた。そしてそれがファイレクシアを守るなら、できる限りの手を差し伸べよう。
自分にとっては、常に家族が第一なのだから。
今回はここまで
いやああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!(llllTДT)
ここ3年ほど、リアルタイムでストーリーを追っているわけですが。
ここまで衝撃的な終わり方があっただろうか…!?
善人中の善人のようなタミヨウが、まず最初の実験体というのが非常にツラいところでございますね…。
ストーリーの締めとなる一文。
自分にとっては、常に家族が第一なのだから。
キツい…キツすぎる…( ;∀;)
さてはて、”完成化”プレインズウォーカー第一号が爆誕する最悪のエンディングを迎えた神河。
この後も、他のプレインズウォーカーたちも完成化されるのだと思うと非常に憂鬱ですが、どうなってしまうのか…!
ぜひ私とともに座して待ちましょう…!
というわけで、ネオ神河の物語はここまで!
次回もお楽しみに!
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