【コラム】リリアナの人間関係で覚える友好色と対抗色

2022年12月5日

はじめに

これをお読みいただいている皆様は、MTG歴どれくらいでしょうか。

かく言う私は、アリーナで初めてマジックに触れてから執筆時現在まで、まだ一年半くらいになります。

そんなMTG初心者の私が、毎度上級者の皆様の会話で悩むことが一つ。

それは…

友好色と対抗色が覚えられない!!!

 

「友好色ショックランド」とか「対抗色フェッチランド」とか言われてもね!

初心者にはどの色とどの色が友好色で対抗色なのかわからんのよ!

 

ただ、ここはMTGのストーリーをご紹介するブログ。

そして、マジックのストーリーでは、この友好色・対抗色の関係は、それぞれのキャラクターの相性として、(比較的忠実に)再現されています。

というわけで今回は、「ストーリーの人間関係」からこの友好色対抗色を覚える!みたいな記事をお届けしたいと思います。




目次

そもそも友好色・対抗色とは?

一応、私のようなMTG初心者用に解説をしておきますと。

マジックでは、五色のうちの二色の組み合わせは、友好色と対抗色の2種類に分類されます。

そして、それはカードの裏面を見るのが一番わかりやすい~なんて言われています。

カードの裏面で五角形の頂点上に配置された各色の、隣り合った色が「友好色」、対面に配置された色が「対抗色」とされています。

 

つまり。

神聖なる泉、血の墓所は「友好色ショックランド

蒸気孔、草むした墓は「対抗色ショックランド

となるわけですね。

 

 

わかるかーーーーーい!!

 

この中で直感的なのは、「白黒が対抗色」とかだけじゃないでしょうか。

色だけで覚えるのは、かなり数をこなさないと難しいと思います。

 

リリアナから紐解く色関係

さて、では本筋のお話。

ストーリーで、まさに五色を体現しているキャラクターたちと言えば?

そう

ゲートウォッチだね。

がんばって集合絵作った、ほめて

 

もともとはバラバラだったプレインズウォーカーたちが、それぞれの目的に基づき誓いを立てたことで結成されているゲートウォッチ。

そして、組織内部の人間関係も、相性があります。

特にわかりやすいのが、人間の好き嫌いの激しい(!)リリアナ様。

今回は、彼女の人間関係から、この友好色対抗色を紐解いていきましょう。

 

友好色青:ジェイス・ベレレン

もはやストーリーに詳しくない方でもご存じかもしれないのがこの関係ですね。

リリアナは過去にジェイスを利用しようと接近し、そのまま本当の恋に落ちかける、みたいなことを繰り広げています。

その後もリリアナはずっとジェイスのことを気にしており、異界月の物語では、ほとんどジェイスのために、エムラクールへと立ち向かうことを決めますね。

本人はその感情を絶対に表に出さないため、まぁ新手のツンデレみたいなもんです。

二百歳のツンデレです。新しいでしょう?

デートのリリアナ

<SCENE1:エムラクール撃退後のリリアナの心情吐露>

以前、ジェイスが自分に抱く感情を利用しようと考えていた。正確には抱いていた感情の、だろうか。彼はただの男の子だった。もっとよく知るべき男の子。今回の成功にも関わらず、ジェイスは頼もしいほどに当てにならないことを証明していた。私があなたを生かしておいた間、あなたはその呪文で何をしていたの? エムラクールに死ねって思っていたの? ジェイスの行動がもたらした結果を知っても、それは彼に向けた見解を劇的に変えはしなかった。ただの男の子。私がいてあげなくちゃね。

 

友好色赤:チャンドラ・ナラー

カラデシュのストーリー導入でもわかる通り、リリアナは単純でまっすぐなチャンドラを、(内心少し馬鹿にしながらも)気に入っています。

そして、ゲートウォッチの中でも信頼を得やすいと踏んだ彼女に取り入るため、彼女の”お姉ちゃん役”として、ともにカラデシュ次元へと渡り、改革派の探索に協力します。

 

<SCENE1:カラデシュ冒頭、チャンドラを呼びに部屋に来たリリアナ>

「可愛い子ちゃん、行く前に下に何か穿いて欲しいわ」

「あんた何なの、私の――叔母さんか何か?」

チャンドラは不機嫌に言った。

(中略)

リリアナは宙へと澄んだ笑い声を上げた。

「むしろ私のことは……お姉さんと思って欲しいけどね。どう?」

チャンドラは衣類の山からレギンスを一枚引き出し、匂いをかぎ、顔をしかめて肩越しに放り投げた。

「私には兄弟はいないの。何にせよ、あんたは二百歳とかそんななんでしょ?」

「ええ、二百と二十九歳よ」

 

<SCENE2:カラデシュ到着後、チャンドラをそそのかすリリアナ>

リリアナは指先に紫色の光を輝かせ、唇を大きく広げて笑顔を作った。

「それならあなたの故郷の街への凱旋をお祝いする頃合いじゃない」

チャンドラは片眉をつり上げた。「私はここに何かをやり遂げに来たの」

「あなたの大切な改革派は道中で探しましょう。でもここで繰り広げられてる盛大なパーティーを楽しもうとしないのは勿体ないじゃない? それに、この街であなたと私よ? すごく楽しい騒動に飛び込めると思うのだけど」

チャンドラから自然と笑みがこぼれた。

「リリアナ、あんたは私より二百歳くらい年上よね。私達のどっちが責任者になるべき?」

「秘密をひとつ教えてあげる」 リリアナはおどけてチャンドラの耳に手を当て、囁いた。「責任者なんていりません」

 

対抗色白:ギデオン・ジュラ

リリアナが、おそらくゲートウォッチの中で一番嫌いなのが白のギデオンです。

正義感が強く、たとえ悪であっても人を殺すことにためらい、組織としてどのように動くべきか、を常に考えているギデオンは、彼女にとって非常にもどかしい存在であり、うっとおしいものです。

リリアナは彼を筋肉馬鹿と称し、ごまかすことすらしないくらいに見下しています。

 

<SCENE1:ジェイスとのデートを、救援を求めるギデオンに邪魔されるリリアナ>

リリアナはグラスを空にし、椅子を引いて、ジェイスの横を通り過ぎた。

「リリー、待って――」

彼女は歩き続けた。

「ちょっと失礼」 彼はギデオンへと言った。

ジェイスは彼女を追いかけて走り、彼女の歩調に追い付いた。その腕を掴もうとしない方がいいと彼はよく知っていた――癒し手の所に行く羽目になる。

「リリアナ!」彼女は足を止め、ジェイスに対峙した。怒りに両目が輝いていた。

「久しぶりにあなたを探して」 彼女は言った。

「あなたに何もかもを明かして。そして今、こうして一緒に過ごせたのに、あなたはあのサンホームから来た生焼けの牛肉みたいなのと一緒に去っていくの、ただ頼まれただけで?」

※サンホームから来た生焼けの牛肉

<SCENE2:エムラクールとの戦いに颯爽登場したリリアナ>

「あなたが必要なのは、この呪われたものを連れて帰ること」

ニッサはふらつきながら立ち上がり、だが彼女は剣を手にしていた。

「それと一緒には戦えない」

ギデオンは戒めるように片手を挙げた。

「ニッサ、君は海門で吸血鬼や海賊やもっと悪いものと共に戦っただろう。得られる仲間は何であろうと受け入れるべきだ、それが信頼に値するのであれば」

「あら、そこの筋肉には分別があるじゃない!」 リリアナはにこやかに笑った。

※そこの筋肉

<SCENE3:カラデシュ冒頭、チャンドラを呼びに来たリリアナ2>

「厚切り肉が一時間以内に下に集まれですって。お客さんみたいよ」

「誰?」

「私は聞いてないわね」

「じゃなくて、……厚切り肉って?」

リリアナは再び唇の端を歪め、片手を腰に当てて待った。

「ああ!」 チャンドラは笑い声を上げた。「ギデオンね」

彼女は青白い指を宙に振り、大げさに両目を動かした。

「同じこと思ってたでしょ。シャツを着てくれって私も一日おきに言ってるくらい」

※厚切り肉…ギデオンね!(爆笑)

 

対抗色緑:ニッサ・レヴェイン

リリアナがギデオンに次いで嫌いなのが、純朴で、融通がきかず、彼女の屍術を心から嫌っているニッサです。

だいぶ先の話ですが、リリアナが自身を縛る悪魔を殺すために仲間のゲートウォッチたちを利用してたと知り、一番に怒ったのもこのニッサでした。

 

<SCENE1:チャンドラとリリアナの危機に駆け付けたニッサ>

「どうして私達に何も言わずにここに来たの? そんな危険の中に飛び込んで――私が見つけることができて、どれほど運が良かったか!」

リリアナは唇を歪め、ニッサへ向けて軽蔑的に手首をぶらぶら振った。

「テゼレットはあなたが知る以上の危険人物よ」

そして傲慢に両目を上げてニッサと視線を合わせた。

「それと言葉に気をつけなさい――私は許可とか免除とかを求めたりはしないの」

(中略)

ニッサは聞いていた。

「ずっとそんなふうにチャンドラを挑発していたの?」

その言葉には心からの驚きがあった。

「それがあなたの友情というものなの? あなたは……怪物。喜んでくれると思ったのに!」

そして彼女はリリアナの目の前で背を伸ばし、杖の先端を敷石に叩きつけた。両端に緑色の炎が細く現れたが、気付いた様子はなかった。

自分にむけてそのような口調を向けた者は数世紀ぶりだった――そしてそれは多くの場合、彼らの最期の言葉となっていた。




おまけ:チャンドラの人間関係で見る色関係

黒からの友好色、対抗色はわかったけど、他の色の組み合わせもわからないと全部は把握できないだろ、と言われればそれまでなので、参考までにチャンドラの人間関係もご紹介します。

彼女は比較的誰とも好き嫌いなく接するため、今回はカラデシュにおける人間関係をご紹介すると…

 

友好色黒:リリアナ・ヴェス

※上で挙げた通り。

 

友好色緑:ニッサ・レヴェイン

チャンドラが落ち込んだ時、だいたいこれを慰め、助けに来るのがニッサです。

時にそれは上手くいかないこともありますが、カラデシュでは仲良く牢獄に閉じ込められながらも、ともに友情を確かめあいます。

Geogleで「chandra nissa art」と調べると、めちゃくちゃファンアートが出てくるため、この二人の尊さは世間的に認知されていると言っても過言ではないかも?

 

対抗色青:遵法長、バラル

青でチャンドラの敵と言えば、父を殺し、濡れ衣でチャンドラを処刑しようとし、彼女の灯の覚醒のきっかけとなったバラルでしょう。

カラデシュ~霊気紛争における巨悪はテゼレットですが、チャンドラにとっての悪はこのバラルであり続けます。

 

対抗色白:???

これは難しい!

なにより、チャンドラとギデオンは結構相性がよろしいです。

ともにひたむきな彼彼女は、どちらも同調する部分が多く、ともに助け合う部分も多くあります。

そうですね…しいて言うなら、カラデシュの物語でチャンドラの心を砕いた、母の連行シーンをカード化した「領事府による拘禁」が白、というくらい?(無理やり)




今回はここまで

リリアナ(とチャンドラ)から紐解く友好色・対抗色、いかがだったでしょうか。

公式も友好色は「仲の良い色」、対抗色を「相性の悪い色」と考えているのか、ストーリー上もこれらの色関係を現わしていることが多いように思います。

緑のガラクの恨みを買う黒のリリアナや、黒のソリンに憎悪する白のナヒリなど…。

ストーリー上の人間関係について、好き嫌いがわかっている場合、その色についても考えてみると面白いかもしれませんね!

 

というわけでまた次回!お楽しみに!
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